無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

RISING SUN ROCK FESTIVAL 2018 in EZO感想(4)~20回目の朝

■2018/08/11@石狩湾新港特設野外ステージ

https://www.instagram.com/p/BmVhfGghYES/
JOY-POPS終わってかえりみちのblue。 #rsr18 #rsr2018

ここで各ステージ小休止の時間。RED STAR周りの屋台で腹を満たし、休んでいると花火が打ち上がる。毎年恒例、ありがたや。

RED STARでエゴラッピンエゴラッピンもちゃんと見るのは久々な気がします。20周年のベスト盤はあったけど、オリジナルアルバムも結構ご無沙汰な気が。そんな感じでふわふわと見ていたのですが、新旧取り混ぜてのセットはなかなか面白かったです。「くちばしにチェリー」とか「サイコアナルシス」とかのキラーチューン連発を期待してた人には物足りなかったかもしれないけど、フルバンドで現在進行家のバンドを見せてくれたと思います。レッド・ツェッペリンのカバーもあったりして。ただ個人的には前二つの熱にまだ浮かされていたような感じで、そこまで前のめりになれなかったというのが正直なところでした。

■EGO-WRAPPIN'
1.10万年後の君へ
2.love scene
3.BRAND NEW DAY
4.5月のクローバー
5.Whole Lotta Love(胸いっぱいの愛を)
6.human beat
7.GO ACTION
8.新曲
9.A little dance SKA

https://www.instagram.com/p/BmVu3PGBbgW/
こんなのあった。 #rsr2018 #rsr18

サンステージでエレカシ。30周年アニバーサリーのお祭りも終わり、メンバー全員50代に入っての新作『WAKE UP』をリリースしたエレカシです。その新作がとにかく、「前に進む」ことしか歌っていない。老け込むとか落ち着くということは微塵も考えず、とにかく前を向いて進む。40代後半になって改めて思うけど、口で言うのはもちろん行動でそれを示すってこの歳になると難しいです。自分より上の人間が本気でそれをやってるのを見ると素直にすげえなあと思います。この日のステージもそんなエレカシの「落ち着きのなさ」を感じさせるものでした。

30周年を超えてバンド史上最速のパンク・ナンバーである「Easy Go」、そして「奴隷天国」、さらに「RAINBOW」と畳みかける序盤からアクセル全開です。今いる場所とスタンスをしっかり見せて、なおかつヒット曲・代表曲もしっかり押さえる。ファンも満足だし、一見さんもどうぞいらっしゃいという全方位型のほぼ完璧なパフォーマンス。改めて30年のキャリアは伊達じゃねえな、と思った次第です。あと、石君のいでたちが長渕剛マニアがB'z稲葉浩志のコスプレしてるみたいでインパクトありすぎでした。

エレファントカシマシ
1.Easy Go
2.奴隷天国
3.RAINBOW
4.悲しみの果て
5.旅立ちの朝
6.風に吹かれて
7.俺たちの明日
8.ガストロンジャー
9.so many people
10.ファイティングマン
11.今宵の月のように

今年のラストはスカパラで締め。20回目という節目にほぼ毎年出演しているスカパラがトリというのはまあ順当だろうと思いました。そして事前にアナウンスされている分でも相当コラボでゲストボーカリストが出てくるということもあり、最初からお祭りのような雰囲気でした。

なんと、最初はツインドラムからスタート。青木達之亡き後、欣ちゃんが加入するまでバンドを支えた中村達也がゲスト出演。欣ちゃんとツインドラムでドラムバトル。こりゃ最高。その後はセットリストを見てわかるように、ゲストの嵐。そして名曲の連発。スカパラの歌ものコラボがいかにクオリティの高いものだったか、その歴史を総括するようなライブでもあったと思います。おそらくワンマンでもこれだけ多くのゲストを一度に呼んだことはないでしょう。フェスだから、ライジングサンだからこそ実現した夢のような時間でした。

ゲストボーカリストは皆スカパラとおそろいのスーツを事前に仕立てて衣装として着ていたのですが、TOSHI-LOWだけは「オレ呼ばれてねえぞ!」ってことで急遽出演が決まったらしく、ほぼパンイチという半裸状態での出演でした。これだけ豪華な布陣の中で仕方ないとは思いますが、後半に出てきた尾崎世界観と斎藤宏介は順番的にも少しかわいそうでしたかね。そして坊主頭にしていた峯田和伸が出てきた時一瞬「誰?」となったのはご愛敬。今思えば「いだてん」の撮影のためですね。

東京スカパラダイスオーケストラ
欣ちゃん達也ドラム対決
1.火の玉ジャイヴ
2.スキャラバン
3.美しく燃える森(奥田民生
4.カナリヤ鳴く空(チバユウスケ
5.銀河と迷路
6.流れゆく世界の中で(キヨサク)
7.SKA ME CRAZY
8.野望なき野郎どもへ(TOSHI-LOW
9.追憶のライラックハナレグミ
10.星降る夜に(甲本ヒロト
11.水琴窟
12.爆音ラブソング(尾崎世界観
13.白と黒のモントゥーノ(斎藤宏介)
14.ちえのわ(峯田和伸
15.めくれたオレンジ(峯田和伸
16.DOWN BEAT STOMP
17.Paradise Has No Border

https://www.instagram.com/p/BmWaoLjhHuY/
明けてきた。もうすぐ終わってしまう。 #rsr2018 #rsr18

例年ならトリのステージはテントで音だけ聞いているか、見ていてもほぼ棒立ちの状態ですが、この時はラストまでガンガン踊ってました。最近はフジロックかというくらい毎年雨が降るし、今年は会場レイアウトも変わって
いろいろと不慣れな部分もあったし、駐車場のオペレーションは最悪だったし、いろいろありましたがそれでも楽しかったです。間違いなく。

2019年は本当の意味での20周年です。夏フェスという言葉の意味も各々のフェスが置かれた状況もロックシーンにおけるフェスの意義もあらゆる点で20年前とは変わりました。当然、ライジングサンもこの20年で全く違うものになりました。と思います。今年以上にいろいろと想いを巡らせながら楽しむことになる気がします。できれば、昔から参加してる人といろいろと語り合いたいですね。

https://www.instagram.com/p/BmWf3YZBk_Z/
終わってしまいました。また来年! #rsr2018 #rsr18


こんなことをつぶやいていたのに、半年以上遅れてしまいました。いや、ちょこちょこ書いていたのは本当なんですが。何とか最後まで書き終えられてよかったということでご容赦ください。今年の感想も書きます多分。あと4か月、すぐですね。今後ともよろしくどうぞ。
(了)

RISING SUN ROCK FESTIVAL 2018 in EZO感想(3)~それは天気のせいさ

■2018/08/11@石狩湾新港特設野外ステージ

昨日の夜ほどではないにしろ、まだ断続的に雨は降り続いていました。車で石狩に向かう途中も止んだと思ったらまた降ってくるの繰り返し。天気の変わりやすい会場周辺ではもっと落ち着かない天気になるのだろうと覚悟して臨みました。この日は朝から長靴で完全武装です。

ひとつ苦言を呈したいのが、会場内駐車場のオペレーションについて。僕のように一度帰宅して休み、翌日戻ってくる人はそれなりにいたと思います。それ以外にも買い出しや何かで一度車で会場を離れる人はいるでしょう。そういう人が会場に戻ってくると、この日初めて会場に来る組も一緒くたで長蛇の列に並ばなければならなかったのです。少なくとも、すでに駐車券と通行証を引き換え終わっている人は別口で入場できるようにしてほしかったと思います。前日よりも長い列に並び、再入場できた時はすでに12時を回っていました。
https://www.instagram.com/p/BmU3pRKBqmg/
PROVOのフルーツコーン、安定の美味さ。甘さ。生がオススメ。ナマが一番いい。 #rsr18

ということでやや予定が狂い、この日の最初はボヘミアンサーカスで関取花ボヘミアンサーカスはボヘミアン側のゲート付近にある小さなステージです。弾き語りやアコースティックのライブ用という感じですね。関取花はテレビやラジオでは見ていてもライブは初めて。このRSRの後に札幌のワンマンも見ましたが、その前にこのアコースティックライブを見ました。まあ、とにかく小さくてかわいかったです。声はいいし、歌も上手いし、トークも上手い。男性女性関係なく、またあんまりいやらしい意味でもなく、人としていいなと思えるアーティストですね。いい飲み友達になれそうな。ワンマンでもやってましたが、ここでも昔北海道で流れていた融雪機のCM「モンスター」の歌で盛り上がってました。

関取花
1.私の葬式
2.あの子はいいな
3.親知らず
(雪溶かし機の歌)
4.黄金の海で逢えたなら
5.もしも僕に

ここからデフに移動。少し雨が落ちてきました。でもテントなので関係なし。フラカンはメンバー全員が48歳を迎えてまたインディーレーベルを立ち上げるなど、いまだ自分たちのやりたいことを素直に追及している印象があります。逆にそうせざるを得ない状況があるのかもしれませんが、居心地のいい場所に安寧せずにもがき続ける様はフラカンらしいと思うし、ほぼ同世代として胸を打たれます。いきなり「深夜高速」から始まるセットも彼らのキャリアと自信の表れ。先が見えない中でそれでも「最後にゃなんとかなるだろう」と歌う彼らは背伸びしない、等身大のバンドなのだと思います。無理せず、もがく。辛かったらちょっと逃げる。それでいいんじゃないかな、なんて見ていて思いました。

フラワーカンパニーズ
1.深夜高速
2.はぐれ者讃歌
3.ピースフル
4.吐きたくなるほど愛されたい
5.ハイエース
6.最後にゃなんとかなるだろう
7.真冬の盆踊り

https://www.instagram.com/p/BmU30qchcF9/
藤原さくら聞きながらのモヒート。ボヘミアン好き。 #rsr18

ボヘミアンに移動してサニーデイ・サービス。このライジングサンの1ヶ月前に、公式サイトにてドラマーの丸山晴茂の訃報が伝えられた。かねてから体調不良でライブやレコーディングには参加できていなかったものの、ファンにとっては衝撃だった。しかも実際に亡くなったのは5月で、2ヶ月間公表を控えていたという。純粋に追悼の気持ちで今のサニーデイを見たいと思いつつ、曽我部恵一がこの件について何を言うのだろう、と思う自分もいた。でも何も言わなくていいとも思っていた。

ステージ前には多くのファンが集まり、神妙な面持ちでバンドの登場を待っていた。みんな同じ気持ちだったと思う。1曲目は「bay blue」。静かな弾き語りから始まり、最初にドラムが鳴る時の音が非常に鮮烈に聞こえてくる曲。晴茂君のドラムはドタバタしていたけど、いい音だったなあと思いながら聞く。様々な想いを振り切るように、あるいは見ないようにしているかのように、淡々とライブは進む。今日の天気を見て「これはやろうと思って急遽セットリストに入れた」という「雨の土曜日」。そして「苺畑でつかまえて」に続いて、現在のサニーデイの中でも最も激しい曲の一つ、「セツナ」へと飛び込んでいく。崩壊しそうなほどのバンドアンサンブルの中、曽我部恵一は叫び続ける。そして後半のギターソロも曽我部は何かがとり憑いたかのように弾き狂っていた。このギターソロの時、空を見上げながら曽我部は何を思っていたのか。この時点で僕は泣いていた。雨で濡れていたし、それを拭うことはしなかった。「白い恋人」の後、曽我部は思い出したかのように晴茂君のことを話し始めた。

「晴茂君がいなくなって…、あ、休んでた時ね、一人で曲を作りながら「晴茂君だったらどう言うだろう」と思ってたのね。死んじゃってからはその声も聞こえないね…」周りからはすすり泣く声。当たり前だ。そんな様子を見て曽我部はこう言った。「みんな泣いちゃダメ。次にやる曲はそういう曲じゃないから。」始まったのは「愛と笑いの夜」。ずるいよ、曽我部。泣くに決まってるじゃないかこんなの。

ラストは夏フェスならこれを聞かなければ終われないと個人的には思う名曲「サマーソルジャー」。1999年、第1回目のライジングサンでサニーデイ・サービスがトリを務めた時にも当然演奏された曲。その時の印象は本当に強く残っていて、僕にとってあの最初のライジングサンの記憶はブランキーでもミッシェルでもなく、「サマーソルジャー」と共にあった。今回で20回目となるライジングサンでまたこの曲が聞けたのも偶然じゃないと思う。ありがとうサニーデイ・サービス。2018年のベストアクトでした。

サニーデイ・サービス
1.baby blue
2.スロウライダー
3.今日を生きよう
4.雨の土曜日
5.苺畑でつかまえて
6.セツナ
7.白い恋人
8.愛と笑いの夜
9.青春狂走曲
10.サマーソルジャー

そのままボヘミアンに残って待機。今年個人的に一番と言っていい目玉、JOY-POPS。かつてTHE STREET SLIDERS(以下スライダーズ)として日本のロックをけん引していたHARRY(村越弘明)と蘭丸(土屋公平)によるユニット名だ。スライダーズの4人のうち、JAMESとZUZUがHARRYのライブに客演で出たことはあったけど、この2人が同じステージでプレイするのはほとんど無かった(皆無?)と思う。リズムセクションはなく、ギター2本のみのステージ。それでもワクワクは止まらない。ソロになってからのHARRYのライブは何度か見たが、この2人が揃うステージを見るのは僕にとって1996年以来、実に22年ぶりのことだ。

HARRYは元気そうで、笑顔も見える。1曲目は「カメレオン」。HARRYのざっくりとしたストロークに、蘭丸のキレのあるカットが絡む。このギター2本の絡みだけでそこはスライダーズの世界になる。何かをかみしめるようにギターを弾き、歌うHARRY。堅実なプレイでHARRYを支える蘭丸。並んでプレイしている2人を見てるだけで泣きそうだった。「2人でまた何かやろうと思って、新しい曲も作った」というHARRY。そして各々がボーカルを取る新曲2曲を披露。HARRYらしいメロディーの、それでいて少しメッセージ性も入った曲と、蘭丸らしいブルースな曲。今後はツアーも行う予定があるらしい。スライダーズの名曲は否が応にも盛り上がる。集まっていたのは当時を知るオールドファンがほとんどだったと思うけど、全員とハイタッチしたいくらいだった。演奏が終わった後、2人で手を繋いで一礼。その姿を見てまた涙が。ありがたいものを見ました。長生きはするもんです。

■JOY-POPS
1.カメレオン
2.すれちがい
3.かえりみちのblue
4.新しい風(新曲)
5.デルタのスー(新曲)
6.風が強い日
7.Special Women
8.No more trouble
9.Back to Back

(続く)

RISING SUN ROCK FESTIVAL 2018 in EZO感想(2)~雨は夜ふけ過ぎに泥へと変わるだろう

■2018/08/10@石狩湾新港特設野外ステージ
https://www.instagram.com/p/BmTCZFjBc7B/
ローストビーフ丼。 #rsr18

雨は断続的に降り続け、かなり水たまりが目立つようになってきました。そういえば電気グルーヴは1回目のライジングサンのトップバッターだったんだよなあなどと思い出に浸りつつライブスタート。卓球と瀧の他、サポートDJに牛尾憲輔agraph)というおなじみのスタイル。

セットリストとしては前半から中盤にかけては昨年のツアーやライブを踏襲したもの。個人的に「いちご娘はひとりっ子」のライブアレンジが好きなのと、「SHAME」から「SHAMEFUL」の流れが鉄板で好きなので満足でした。途中からはアルバム『TROPICAL LOVE』にも参加したギタリストの吉田サトシがゲストで登場。「ユーフォリック」でのスペイシーなサウンドは気持ち良かったです。

そしてさらにサプライズゲストで日出郎が登場。今年、石野卓球リミックスでよみがえった「燃えよバルセロナ」を熱唱。「エクスタシー得たけりゃ肛門よー!」のコールアンドレスポンスを執拗に繰り返すSMプレイを披露。少なくとも過去20年ライジングサンの歴史の中で「肛門」という言葉がここまで連呼されたことは無いと思います。

電気グルーヴ
1.Fallin’ down
2.モノノケダンス
3.いちご娘はひとりっ子
4.SHAME
5.SHAMEFUL
6.MAN HUMAN
7.Baby’s on Fire
8.Slow Motion
9.ユーフォリック
10.燃えよバルセロナ(日出郎)
11.人間大統領

雨の中、そのままサンステージ前で待機してサカナクション。6月に見たZepp Sapporoのライブでは、終わらないレコーディングと、やりたいことと求められるものとの葛藤を正直に吐露していた山口一郎。その一つの答えがフジロックでのライブだったと思います。フジロックのセットリストはネットに転がっているので見てみてほしいのですが、今回のツアーのように所謂「深海」パートから始まるという、フェスのセットとしてはかなり挑戦的なものだったようです。後半は当然定番曲で盛り上がったようですが、ネットの反応にはやはり批判的なものもあったようです。

で、この日はどうだったかというと、実にフェスライクというか楽しめて満足いくセットだったと思います。フジの反省やリアクションも少なからずあったでしょうが、それだけではなかったのではないかと思います。序盤からアンセムを連打してエンジン全開で盛り上げる展開でしたが、中盤差し込まれた「さよならはエモーション」がポイントだったように見えました。ベスト盤『魚図鑑』には、「グッドバイ」の別バージョンを除いて2014年リリースのシングル曲がすっぽり抜け落ちています。これはベストにふさわしくないというのではなく、来たるべきニューアルバムの根幹を成す曲たちだからあえて外したのだと思っています。「さよならはエモーション」は、その中に含まれる曲なわけです。つまり、定番曲、盛り上がる曲で固めたセットでありながら、その中に自分たちの次のモードの先兵となる曲を入れ込んでいる。単純にヒット曲オンパレードでめでたしなだけではなく、やはり彼らは葛藤し続けているし、戦っているのだろうなと思いました。

サカナクション
1.サンプル
2.アイデンティティ
3.セントレイ
4.夜の踊り子
5.さよならはエモーション
6.ネイティブダンサー
7.ライトダンス
8.多分、風。
9.ミュージック
10.ルーキー
11.新宝島
12.陽炎
<アンコール>
13.三日月サンセット

断続的に降り続ける雨ですでに地面はドロドロの泥濘。昨年の記録を更新するであろう田んぼフェスとなりつつありました。特にひどかったのは会場内駐車場からのゲート周辺と、入ってすぐのテントサイト引換所回り。この辺は長靴じゃないと歩行困難なレベルで沼と化してました。そのため、今年のレイアウト的にレインボーシャングリラに行きづらい状況になってました。着替えもままならないと思いテントに戻り荷物を持ち、一旦車に戻って着替えました。この時点では長靴ではなかったので、靴下から何から全浸水です。すでに靴底は剥がれていたので、捨てるからいいやと泥の中に突っ込んで行った次第。このまま帰るか、深夜のライブを見るか迷ったのですがフィッシュマンズはあきらめてレキシだけでも見ようと思い再び泥の中へ。ちなみに、自分たちのテントはジャガイモでしたが、テント浸水はなかったです。

タイムテーブルが出た時点で期待されてたことですが、雨さえ降ってなければそれこそ夜明けまでででも演奏し続けるんじゃないかと思われたレキシfor Campers。さすがにこの雨では、そこまで長引かせることはできなかったようです。池ちゃん曰く「アフロは雨に弱い」とのことで、途中からは頭にタオルを巻いて風呂上り姿でライブしてました。

いつものように他のアーティストの曲を随所に引用しつつ、楽しいライブ。「GET A NOTE」では目玉おやじに扮したやついいちろうも登場。去年はB'z出てたから「稲トラソウル」やってたなー、と思いつつ今年は山下達郎御大が出るので「クリスマス・イブ」を。この季節にクリスマスはないよねー、というネタ的にやっていたと思うのですが、まさか本家がそれを超えてくるとはこの時にはレキシ本人はもちろん回りも思っていなかったでしょう。

元からセットにあったのかどうかはわかりませんが、レキシ本人がガチで歌う「さよならCOLOR」が聞けたのはなかなか貴重だったと思います。途中もかなり激しい雨でしたが、我慢して見に行って損はなかったです。

■レキシ
1.KMTR645〜タッチ
2.SHIKIBU
3.年貢for you〜クリスマスイブ
4.GET A NOTE(目玉のやつい)
5.KATOKU
乾杯〜レットイットビー
6.墾田永年私財法〜島唄
7.きらきら武士
8.狩りから稲作へ〜新宝島
9.さよならCOLOR
10.狩りから稲作へ〜きらきら武士(リプライズ)

カッパ着てたとはいえかなり濡れてたし、靴も足もぐちゃぐちゃの中、車に戻り一度帰宅。靴下は洗濯機に入れる前に一度シャワーで泥を流さないといけないレベルでした。明日は晴れるといいなー、と思いつつ泥のように眠りについたのです。
(続く)

RISING SUN ROCK FESTIVAL 2018 in EZO感想(1)~RAIN-DANCEがきこえる

■2018/08/10@石狩湾新港特設野外ステージ

1999年の1回目から数えて20回目のライジングサン。僕にとっても20回目のライジングサン。今年は出てくるアーティストも「20回おめでとう」「20周年おめでとう」という声が多く聞かれました。正確には20周年は来年なのだけど、まあその辺はいいとして、区切りの祝祭ムードに包まれていたのは間違いないのです。

会場内で会った知り合いや友人とも、過去のRSRの思い出などが話題の中心だった気がします。かと言ってそういう話になってもパッと思い出話やエピソードトークが出てくるわけでもなく。年々記憶も薄れていく中で、せめて形に残るように備忘録としてこうして毎年駄文を書き連ねているわけでございます。よろしければお付き合いください。

8月頭くらいまでは晴れの日が続き、気温も30度に届こうかという日が続いていた札幌でしたが、RSRの週になって一気に気温が下がってきました。天気も悪くなり、前日から雨。

基本は曇りでも問題ない、多少雨が降るのは仕方がないだろう。長靴は用意するとして、去年のような田んぼフェスティバルになりはすまい。この時点では、そう思っていました。

8時に道外の友人たちと待ち合わせをした時点では雨。会場内駐車場の列に並んだのが9時半ごろ。徐々に雨は上がり、晴れ間すら見えてくるほどでした。

おお、この調子で持ちこたえてくれれば言うことなしじゃないか。この時点では、そう思っていました。
https://www.instagram.com/p/BmR-c7IhJB5/
来て早々靴が壊れました。 #rsr18 #コロンビアブースでなんとかしてくれるかな

今年は会場のレイアウトが大幅に変わりました。風力発電の設備が会場内に建てられた影響でしょう。簡単に言うと、会場内駐車場とサンステージ含む周辺のテントエリアがそっくり入れ替わった形です。

今年は会場内駐車場もすんなり確保できてよかったと思っていたのですが、その会場内駐車場のオペレーションが最悪でした。これについては2日目のほうがさらに最悪だったので、そこで書こうと思います。

何はともあれ駐車場に荷物を置き、必要なものを持って会場に。テントエリアはジャガイモでした。アーステントのほぼ目の前です。その割に、アーステントに行く割合は年々減っているのですが。

今年は4区画で6つのテントを立てるという密集状態でしたが、全然いけました。テントを立て終わりみんなで乾杯。曇っていますが、まだ雨は降っていません。今思えば、テントを立てている時が一番天気が良くて暑かった気がします。
https://www.instagram.com/p/BmSQ8V5hwBU/
チキンカレー&ナン。 #rsr18

今年のライブはボヘミアンのスカートから始めました。生で彼らのライブを見るのは初めてだったのです。ボヘミアンでモヒートを飲みながら見るのに最高なライブでした。

とにかく曲がいい。ギターの音が気持ちいい。澤部渡はあの大きな体躯でとても美しい声で、そして繊細に歌う。そのギャップもいいです。

もうブームというには旬を過ぎていると思いますが、いわゆるシティポップ的な若いバンド。その多くは80年代~90年代の音楽を下敷きにしてちょっと懐かしいアレンジを施した感じのものです。その中にはちょっと7thや9thのコード入れておけばそれっぽく聞こえるでしょ?とお気軽に作ったと聞こえるものも少なくありません。スカートの楽曲はそういうものとは一線を画しています。

圧倒的な音楽に対する知識量と分析能力、そしてそれをオリジナルの楽曲に落とし込むソングライティング能力。そうしたスキルに裏付けられた音楽の深さが一聴しただけで伝わってくる。かと言って頭でっかちにもならず、カッティング一発で客を踊らせるグルーヴも合わせ持っている。好きですねこういう音。『20/20』は傑作ですけど、まだ持ってない過去作も辿って行きたいと思います。

https://www.instagram.com/p/BmTCSNqhPSN/
ボヘミアンでモヒート。 #rsr18

続いてはデフガレージに移動して四星球。この辺からちょっとぽつぽつ雨が落ちてきました。時間になってもメンバーは出てこず。ボーカル北島のアナウンスが流れます。要約すると、どういうライブをやったらいいかわからなくなったのでYahoo!知恵袋に聞いてみた。その答えの通りのライブをやりますというものでした。で、マネキンを置いたらいいんじゃないかということでマネキンに扮したU太とまさやんが運び込まれます。ドラムのモリスはクラーク博士に扮しています。

あとはまあ、いつもの四星球でした。運動会あり、段ボールあり、あいかわらずアホでした。楽しかったです。RSRは2年ぶり2回目ですが、どうせならデフの門番として毎年来てくれたらいいと思います。

■四星球
1.クラーク博士と僕
2.運動会やりたい
3.Mr. Cosmo
4.HEY! HEY! HEY!に出たかった

再びボヘミアンに移動。結構、雨が本格的になってきました。今年見ておきたかったアーティストの一人、NakamuraEmiです。演奏はアコースティックギターヒューマンビートボックスのみという非常にシンプルな構成。

NakamuraEmiはとても小さな体で、非常にパワフルに歌う人でした。音源で聞いた時も思ったのですが、カワムラヒロシのギターはアコースティックでも非常に切れ味が良く、絶妙なブレイクの入れ方とか実に上手いと思います。簡単に言えばめちゃくちゃグルーヴ感がある。

言葉の乗せ方は完全にヒップホップの感覚でありながらメロディーとコード感が失われていないので非常にキャッチー。サビの爆発力もあるので、今後もっと注目されていくアーティストだと思います。最新作に収録されている「新聞」という曲がとてもグッときました。ライブ初めて見ましたが、良かったです。今度はワンマンも行ってみたい。

NakamuraEmi
1.Don't
2.大人の言うことを聞け
3.かかってこいよ
4.(新曲)
5.新聞
6.モチベーション
7.YAMABIKO

ボヘミアンを後にして、急いでレッドスターに移動。今回、ここの導線が非常に狭く、慢性的に渋滞していました。マップを見てもらうとわかるんですけど、レッドスターからボヘミアンに行こうとするとサンステージやアーステントも同じ方向にあるんですね。同じ道を通らなくてはいけないんです。今回のレイアウトだとグッズ売り場の後ろの方なんですが、とにかく渋滞してました。なので、ここを通る時には時間的に余裕を見ておかないといけない感じでした。昨年まではサンステージやアーステントは反対側にあったので、レッドスターからボヘミアンに行く人とサン、アースに行く人は反対方向なのでカチ合わなかったわけです。この辺は、来年以降考えてほしいところです。

さて、アジカン。ちょうど1曲目「センスレス」の途中から見てました。ベストヒット連発!でもなければマニアックすぎる!というわけでもなく。フェス向きではなくてもファンには人気の曲を押さえるという感じのセットでした。何となく序盤は『ファンクラブ』時期のツアーのような雰囲気を感じましたね。「サイレン」無限グライダー」あたりはじっくりと聞いてました。後半の「Re:Re:」や「リライト」ではやはり盛り上がります。

ただ、デビューから15年以上経ってアジカンというバンドのシーンでの立ち位置や役割は確実に変わったんだな、という印象は受けました。言ってしまえばもうベテランなわけで、今後どういうやり方で自分たちの音楽を追及していくのか、分岐点に来てるのかなという気がしました。ラストに演奏したのはbloodthirsty butchersのカバー。これがなかなか良かったです。

ASIAN KUNG-FU GENERATION
1.センスレス
2.ブルートレイン
3.サイレン
4.無限グライダー
5.ノーネーム
6.マーチングバンド
7.Re:Re:
8.リライト
9.今を生きて
10.banging the drum(ブッチャーズのカバー)

(続く)

2018年・私的ベスト10~音楽編(2)~

洋楽編です。邦楽編と同じく順位は無しで、5枚選んでいます。何となくですがジャンル的にうまいことばらけたセレクトになった感じです。

Years&Years『Palo Santo』


Years & Years - All For You

2018年はフジロックにも出演したイヤーズ・アンド・イヤーズ。本作は未来の架空の惑星「パロ・サント」を舞台としたコンセプト・アルバムになっています。

リリースに先駆けて公開されたショート・フィルムでもオリー・アレクサンダー自身が主演し、ジュディ・デンチがナレーションをつけるという力の入れよう。人間が奴隷のように売買されているディストピア的な世界の中でカリスマ的に崇められるダンサーをオリーが熱演しています。

こうしたコンセプトが前面に出ると単純にダンス・ミュージックとしての機能性が失われる可能性が高いのだけど、本作はうまく回避しています。歌詞を見なければそんなに重いストーリーを歌っているとは思えません。

本作のコンセプトにはゲイをカミングアウトしたオリーの個人的なストーリーが反映されていると思うのだけど、決して踊れる部分に目をつぶっていないのがいいと思います。「ハレルヤ」はDJでも結構かけさせてもらいました。

Palo Santo (Deluxe)

Palo Santo (Deluxe)

  • イヤーズ&イヤーズ
  • ポップ
  • ¥2200

Drake『Scorpion』


Drake - In My Feelings

今のアメリカの音楽シーンはほぼヒップホップがチャートのトップを占めています。中でも最も売れているのがドレイク。

時代が違うので何とも言えませんが、ビートルズのチャートイン曲数記録や年間1位獲得回数などの記録を塗り替えるというのはすごいと思いますし、2018年はまさにドレイクの1年だったと言えるのではないでしょうか。

正直日本のドメスティックなロックやJ-POPシーンを見ているとドレイクの何がそんなにウケているのかわかりづらい面もあります。外見も含めたイケてなさを隠さない正直さはいいと思うし、ティーン・アイドルからラッパーというキャリアも、所謂ストリート系のヒップホップとは違います。どこにいても批判は来るし、こういう腰のすわりが悪いスーパースターというのはある意味今の時代を象徴しているのかもなあ、という気がします。

Scorpion

Scorpion

  • ドレイク
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥1100

Young Gun Silver Fox『AM Waves


Young Gun Silver Fox - Take It Or Leave It (Official Video)

UKのソウル・ファンク・バンド、ママズ・ガンのアンディー・プラッツと、トミー・ゲレロエイミー・ワインハウスの楽曲を手がけてきたショーン・リーの二人によるユニットのセカンド・アルバム。前作も70年代のAORディスコ・サウンドを堂々とリバイバルした快作でしたが、本作も素晴らしかったです。パッと聞いて2018年にリリースされた音楽とは思えないレトロっぷり。

その気持ちよさ、カッコ良さにはあらがえないのです。単純に好みです。リアルタイムでその辺の音楽に触れていた世代はもちろん、懐古的に彼らの音楽を愛でるのでしょう。しかし若い世代でも80年代以前の音楽への興味は広がっています。普通に、今聞くべき音としてこういうものもアリなのではないでしょうか。サブスクリプションであらゆる時代の音楽にアクセスできる現在は逆にそういう時代なんじゃないかなと思います。

AM Waves

AM Waves

  • YOUNG GUN SILVER FOX
  • R&B/ソウル
  • ¥1650


Janelle Monae『Dirty Computer』

Janelle Monáe - Screwed (feat. Zoë Kravitz)

『ムーンライト』や『ドリーム』で女優としてもその地位を固めた感があるジャネール・モネイ。本業のシンガーとしてリリースした最新作です。

先行シングル「Make Me Feel」がプリンスの「Kiss」に似ていると言われてましたが、実際にアルバムに生前のプリンスが参加していたという話ですね。その他、ブライアン・ウィルソンファレル・ウィリアムスレニー・クラヴィッツの実娘であるゾーイ・クラヴィッツなど豪華なゲスト陣が参加しています。

決してヒップホップ・オリエンテッドではないR&Bやソウル・ミュージックという意味でも本作がヒットした意義は大きかったと思います。内容的にも文句のつけようがない素晴らしいものでした。


Mitski『Be The Cowboy』

Mitski - Nobody (Official Video)

ミツキはアメリカ人と日本人のハーフであるミツキ・ミヤワキのソロ・プロジェクト。本作は5枚目のアルバムということになります。

コンテンポラリーな洋楽から松任谷由実中島みゆき椎名林檎などからも影響を受けたというそのソングライティングは非常にユニーク。しかし決して日本的な情緒に流されるわけではなく、どこか乾いたシニカルさも持ち合わせています。

気だるく、しかし軽さを失わない彼女のボーカルはとても魅力的です。そしてサウンド的には非常にオーソドックスなギターポップ。どこか90年代前半のオルタナティブを思わせる雰囲気があります。

全体に漂う孤独感や寂しさは米国在住の日米ハーフという彼女自身の生い立ちにも関係しているのかもしれません。こういう「居心地の悪さ」というのは今後さらにポップミュージックの大きなテーマのひとつとなっていく気がします。


以上です。
更新頻度は相変わらずだと思いますが、今年もよろしくお願いします。