無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

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エレファントカシマシ 35th ANNIVERSARY TOUR 2023 YES. I. DO
■2023/03/18@有明アリーナ

1988年のデビューから35周年。一度のメンバー交代もなく、走り続けてきたエレカシ。今回はコロナ禍と宮本浩次のソロ活動を挟みつつのアニバーサリーツアーです。ちょっと前に30周年のツアーとベスト盤があったような気がするのですが、時の流れが早すぎますね。

会場は個人的に初めてとなる有明アリーナ。あいにくの雨の中、開場前からグッズを買う人や列に並ぶ人が多数。東京は思ったよりも寒い気温でしたが、久々にメンバーがそろったエレカシを生で見ることができる興奮がそれを忘れさせました。

1曲目「Sky is blue」からスタート。マスク有りでの声出しが可能になった状況で、大きな歓声がアリーナに響きます。エレカシだからというだけでなく、この光景にちょっとこみ上げるものがありました。

本編は大きく3部構成となっていて、第1部は比較的懐かしい曲が多かった気がします。「デーデ」「星の砂」「珍奇男」の3連発は震えますね。「昔の侍」では金原千恵子カルテットがストリングス隊として登場。ライブ通して、ラストまで美しい色どりをサウンドに与えていました。

ステージ上にはエレカシの4人に加え、蔦谷好位置(Key)、ヒラマミキオ(Gt)を加えた6人。この鉄壁の布陣も気がつけば15年くらいになるでしょうか。35年の半分近くこの体制でライヴをしているわけです。安定した阿吽の呼吸。宮本が全面で暴れられるのもこのバンドがあればこそですね。「奴隷天国」をぶちかまして第1部は終了。

第2部は「新しい季節へキミと」から。このパートはミドルテンポでロマンティックなモードのエレカシが堪能できる感じでした。特に印象深かったのは「彼女は買い物の帰り道」。この曲は宮本浩次が女性の心情を歌うという、エレカシとしては珍しい曲です。しかしここから「陰りゆく部屋」のカバーや、宮本浩次ソロのカバーアルバムに繋がっていったのかもしれません。そんなことを思いながら聞いていました。

穏やかな雰囲気で第2部が終わるのかと思いきや「RAINBOW」から「朝」を経て「悪魔メフィスト」へ。怒涛の展開で第2部終了しました。全く気が抜けません。

第3部は過去、現在のエレカシから未来へ繋がっていくような構成(に見えました)。会場がより一体になる曲が多かった気がします。宮本もアリーナ中央のサブステージとメインステージを激しく行き来します。そんな中でも全く声がぶれません。昔はあまりにも全力で歌うのでライブ後半は声がかすれることも多かった気がしますが、今は全くそんなことがありません。ソロを経て現在の宮本浩次は間違いなく過去最高に歌が上手くなっていると思います。

紆余曲折を経て40代になった心情を歌う「俺たちの明日」から、56歳現在の最新曲「yes, I. do」、そしてまだ10代の若造が生み出した「ファイティングマン」。35年の歴史を詰め込んだようなラストには胸が熱くなりました。そして、デビューアルバムの1曲目を35年経った今でも出来たばかり曲のように新鮮に演奏できるエレカシというバンドが本当に素晴らしいと思います。

1988年3月21日、エレファントカシマシのデビューアルバムが世に放たれました。宮本浩次22歳、ワタクシが15歳の時です。それから35年、自分の人生を投影し、一緒に年を重ねられるバンドと出会えて幸せだったと思います。

お互いよくぞここまでたどり着きました。これからもよろしく。

yes. I. do

yes. I. do

■SET LIST
1.Sky is blue
2.ドビッシャー男
3.悲しみの果て
4.デーデ
5.星の砂
6.珍奇男
7.昔の侍
8.奴隷天国


9.新しい季節へキミと
10.旅
11.彼女は買い物の帰り道
12.リッスントゥザミュージック
13.風に吹かれて
14.翳りゆく部屋
15.ハナウタ
16.今宵の月のように
17.RAINBOW
18.朝
19.悪魔メフィスト


20.風と共に
21.桜の花、舞い上がる道を
22.笑顔の未来へ
23.so many people
24.ズレてる方がいい
25.俺たちの明日
26.yes, I. do
27.ファイティングマン

<アンコール>
28.待つ男
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