無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

good morning

good morning

 宮本浩次とは何者か。ロックだ。言っちゃうよ?言っちゃうけど、彼こそがロックである。少なくともそう言える存在は彼以外に今の日本にはいない。
 先の「ガストロンジャー」、そしてアルバムと同時発売の「コールアンドレスポンス」この2曲で彼の言いたいことはほとんど全て入っちゃってるんじゃないだろうか。「ガストロンジャー」の中で、ロックの歴史に燦然と輝く「お前縄文時代から変わんねえんだよお前それ」という一節を書いてしまっているが、このアルバム全編を貫く彼の苛立ちは自分を変える意思がある人間とない人間の両者の埋めがたい距離に起因するのだと思う。宮本は自分を変える意思を持つ側に自分を置いた。これ以降絶対に揺るがない決意を持って、確信をもってそう言い切った。そしてお前らはどうなのだと刃物片手に聞くものの耳を切りつけてくる。そんなアルバムだ。
 このアルバムを聞いてよくわからない、ピンとこないという人間は宮本浩次がわからない、エレカシがわからない、必要ない、ひいてはロックというものが必要ないという幸せな人間なのだろうから、これから先はそんなもの聞かないほうがいい。触らない方がいい。少なくともこちらの邪魔はしないで欲しい。ここまでロックというものを信じて自分の中で消化し、自分の求める音を具現化した宮本という男に素直に僕は感動する。人生長くて百年、誕生以来28年。多分まだ間に合うだろう。変えるんだよ、何もかも。