特に
デビッド・リンチのファンというわけでもないし、そんなに彼の作品も見てるわけじゃないのでこれまでの彼の作品と比べてどうこうなんてことは言えない。だから見たままを書くしかないんだけど、もうこれは泣いた。号泣した。自分でもなんだかわからないほど泣いた。リチャード・ファーンズワースが歩くたび、喋るたびにうるうる。ツボに入っちゃったんだなあ。彼がどうしてわざわざトラクターで兄に会いに行かなくちゃならないのか。そこまでして、どうして。それはもう彼にしかわからない。映画を見てるこっちにはわかるはずもない。でも泣けてしまう。たぶんそれは映画がお涙頂戴的に作られてないからだと思う。観客を泣かそうと思ったら全然違う作り方になっただろうし、もしそうならここまで素直に泣けなかったと思う。それが
デビッド・リンチ的と言えるのかもしれないし、アメリカ的と言えるのかもしれない。よくわからないけれども、そんな気がする。
どうしてリチャード・ファーンズワースがアカデミーを取れなかったのかは『
アメリカン・ビューティー』を見ないと何とも言えないけれども、「アカデミーもの」と言われる演技というのはきっとこういうものなんだろうなと思う。この映画を見て、ここまで泣ける自分がいることに少し驚いたりもした。そんな映画。