無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

BECK

■2000/05/26@Zepp Sapporo
 とにかく楽しかった。小さい体でぴょんぴょん飛び跳ねながら会場をあおるベック。1曲目から観客のテンションはレッドゾーンに入りっぱなしだった。このクラスの洋楽アーティストが札幌に来ること自体そうそうないことだというのもあるし、しかもそれが今現在絶好調といっていいベックなのである。盛り上がらないわけがない。
 内容は、最新作『ミッドナイト・ヴァルチャーズ』に顕著なファンク志向を中心とした黒っぽいものだったが、彼のキャリアを総括するかのような、まさにポップミュージック見本市とでも言うべきものだった。序盤で「LOSER」というエースカードを惜しげもなく披露してしまう余裕の展開。ヒップホップ、フォーク、ファンク、R&B、アンコールの「Devil's Haircut」などヘヴィメタかというような重厚なリフで押しまくった。
 バックのメンバーも素晴らしいプレイを見せてくれた。個人的には元ジェリーフィッシュ/インペリアル・ドラッグのロジャー・マニングがみれたのがもうけものという感じ。DJ SWAMPのプレイも98年フジロックで見たときより長く、会場の大喝采を浴びていた。思ったよりも遥かにバンドとしてのまとまりがよく、エンターテイメントとしても非常によく出来たショーだった。完璧に楽しかった。
 一緒に行った女の子はとにかく「ベックかわいー!」てな感じで盛り上がっていた。確かに。
Midnite Vultures