赤と白のブルース。
- アーティスト: White Stripes
- 出版社/メーカー: V2
- 発売日: 2003/04/01
- メディア: CD
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (56件) を見る
僕はブルースという音楽をきちんと聞いたことはない。つまり、ロバート・ジョンソンとかのことだけれども、そういうオリジナルなものではなく、あくまでそれをその時代時代の感覚で解釈し、取り入れたロックンロールを聞いてきたに過ぎない。しかし、そんな僕の耳でも「ボール・アンド・ビスケット」や「ハーデスト・ボタン・トゥ・ボタン」は震えるほど沁みる。カッコいい。ジャック・ホワイトという人は形式的にブルースを選んでいるのではなく、スピリチュアルな共感を伴った必然としてブルースを鳴らすしかできない人なのだろう。現代的な解釈でブルースを解体し、再構築するということにも興味はないのだろう。その辺がベックやジョン・スペンサーと違うところだ。しかし、ブルース、引いてはロックンロールはそうした別のベクトルを持つアプローチを何の問題もなく許容する音楽だ。ホワイト・ストライプスはその自由の中、自分たちの作ったルールを守るという制限を設けることで逆にブルースの自由さを際立たせて見せる。すごく知的なやり方だと思う。肉体性と知性、両方を持っているあたりがなんとなくNYのバンドかなあ、なんて思うのだけど、的外れですかね。