無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

成長、そして貫禄のマンドゥ。

MANDO DIAO JAPAN TOUR 2004
■2004/12/12@Zepp Sapporo
 彼らのライヴは昨年のサマーソニック以来。そしてあの時の入場規制までかかったほどの興奮を知っているだけに、この日の入りは正直残念な部分もあった。ペニーレーンなら間違いなくソールドアウトだが、Zeppだとちょっと大きすぎる。札幌には1000人クラスのちょうどいい会場がないという現実があるにせよ両脇と後ろのエリアを遮った会場はぱっと見非常に寂しい印象だった。とは言え、さすがに開演直前にはそれなりに埋まったので一安心。
 というか、客の入りがどうとかいうのはまったく問題ではなく、単純に素晴らしいロックンロールがそこにあった。昨年見たときにははっきり言って音の輪郭も軸も何もかも無視したような無軌道なビートとノイズとエネルギーを放出していただけだったのが、曲の良さをしっかりと受け止め、メリハリの利いた演奏をするようになっていた。ギターを持ち、大きく足を開いてがしっと仁王立ちするグスタフの姿は驚くほどのオーラを放っていた。長い手足をいっぱいに使ってシャウトし、客を煽る姿はまさにロックスター。マジかっこいい。これは惚れるわ。その左側でやや控えめに歌うビョルンも、負けず劣らずの輝きを放っていた。このフロントマン2人のスター性は確かにすごい。勢いとハッタリだけで勝負していた昨年とは違い、確固たる自信が漲っていた。
 正直、セカンドアルバム『ハリケーン・バー』はいい曲は揃っていても前作にあった破天荒なエネルギーや勢いが後退したような印象もあったのだけど、こうしてライヴで聞くと全くそんなことはなかった。以前より安定した演奏に乗ってその曲の良さがシンプルに伝わってくるのだ。どの曲にもわくわくするようなサビのクライマックスが用意されていて、考える間もなくその魅力に心がわしづかみにされる。3分間たらずで次の曲に移るので、興奮が途切れることがない。息継ぐ暇もないロックンロールサーカス。褒めすぎか。でも、それくらいたくましく成長したマンドゥ・ディアオの姿がそこにあったのだ。「カット・ザ・ロープ」から「ザ・バンド」まで、あっという間の本編に続き、アンコールではグスタフとビョルンがアコースティックセットで美しいメロディーを交互に奏でる。落ち着きかけたところで、最後に「シープドッグ」でもう一汗。メンバーが帰った後時計を見たら1時間くらいしか経っていなかった。隣の男子2人組も「早ぇー!」と言ってたが、物足りなさは微塵も感じなかった。最高!

■SET LIST
1.CUT THE ROPE
2.DOWN IN THE PAST
3.PARALYZED
4.IF I LEAVE YOU
5.P.U.S.A.
6.ALL MY SENSES
7.CLEAN TOWN
8.MOTOWN BLODD
9.CHI-GA
10.YOU CAN'T STEAL MY LOVE
11.TO CHINA WITH LOVE
12.GOD KNOWS
13.THE BAND

14.NEXT TO BE LOWERED
15.RINGING BELLS
16.SHEEPDOG