匠の世界。
- アーティスト: RIP SLYME,RYO-Z,ILMARI,DJ FUMIYA,PES,SU,Hirotaka Mori
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2004/11/03
- メディア: CD
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「黄昏サラウンド」は「One」に通じるセンチメンタリズムを持つ、リップというかPESその人の核心をそのまま形にしたようなナンバー。子供の頃に見た夕焼けを思い起こさせたりもするし、ふと1人の部屋で感じる寂しさを思わせたりもする。日本人的なワビサビとも言える微妙な心象風景を刺激してくれる曲。リップの音楽がこれだけ楽しいのは、パーティーの後の寂しさを知っていて、それもきちんと形にするからだ。それは僕が音楽を聞く時に信用できるかどうかを判断する絶対的な基準の一つでもある。光がどれだけまぶしいかは影がなければわからないのだ。
本作では特にそう思うけれども、もはやリップはヒップホップがどうということではなく、単純にポップスとして優れたものであるかどうかというところで語られるべきなんじゃないかという気がする。そのくらいナチュラルに耳に入ってくる。それがいいのか悪いのか正直わからないけれども、個人的には素晴らしいことなんじゃないかと思う。結果としてヒップホップとしてもすごいものになっていると思うので。