歌は無くともギターがある。
- アーティスト: DEPAPEPE,TAICHI NAKAMURA
- 出版社/メーカー: SME Records
- 発売日: 2005/05/18
- メディア: CD
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若い人たちでこういうスタイルの音楽をやるのは多分それなりに珍しいと思うのだけど、決して一部のマニアに受け入れられればいいというようなニッチ的思考が全く無くて清々しい。CDを再生した瞬間から爽やかな風が吹くような清涼感で満たされるような感覚。しかしその中にかなり場数を踏んで鍛え上げてきたのだろうと思わせるような「熱」が感じられるのだ(テクニック的にももちろん確かなものはあるのだが)。メロディーにしてもリズムにしても、最初からこういう音楽を志向していたのではこうはならないだろう、という展開が多い。明らかに「歌心」が宿っているし、ビート感もタイトだ。彼らの出自はよく知らないけれども、おそらくは普通に最初バンドを組んでやってた人たちなんじゃないだろうかという気がする。そのくらい、ポップスとしての訴求力が強い。
このアルバムは屈託なく爽やかで真っ直ぐ、という勢いで聞かせてしまうが、それだけじゃない野心もあるだろう。が、こういうスタイルの音楽は楽器編成やアレンジに制限がある分、枚数を重ねるにつれて手詰まりになってくる可能性が高い。アコースティックのギターインストというこのジャンルをポップミュージックシーンのど真ん中で鳴らすつもりであるのなら、この先2、3作がキーだろうと思う。
でも好きですよこういう音は。ワンパターンにならないようにがんばって欲しい。