無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

プレーオフソフトバンクがロッテに負けると、2年連続勝率1位チームが日本シリーズを逃すことになる。こうなるとプレーオフ制度の是非を問う声があがってきそうだが、僕は逆にこれはいいことだと思う。プレーオフポストシーズンというのはアメリカのメジャースポーツでは普通に行われているが、チャンピオンシップ獲得に向けてどのチームも死に物狂いで戦うのでレギュラーシーズンよりも密度の濃い試合が多く見られる。その中で、レギュラーシーズンを優勝したチームが必ずしもNBAファイナルやワールドシリーズスーパーボウルに駒を進められるとは限らないのだ。そのぐらい、厳しい戦いなのである。日本のプロ野球にはそこまで厳しい戦いが今までなかったという言い方もできる。マリーンズのバレンタイン監督はメジャーリーグプレーオフの戦い方というのを熟知している。今年に限って言えばホークスもマリーンズもどちらも日本シリーズに出場しておかしくない成績をあげているし、短期シリーズならどちらが勝つか判らない戦力同士である。差があるとすれば、プレーオフの厳しさ、そこを戦い抜く術を指揮官が実感として持っているかどうかということなんじゃないだろうか。まあ、まだホークス逆転の可能性もありますけどね。実際かなり可能性としてはマリーンズ有利。
ホークスファンは今年もしホークスが日本シリーズ出場を逃してもプレーオフ批判をしないでほしい。むしろ、こういう新しい文化が日本のプロ野球に生まれたことを喜ぶべきだ。最終的には、プレーオフをどう戦い抜くかということが重要になってくるのだが、そうなればレギュラーシーズンの戦い方も、ファンの見方も変わってくるはず。今年の交流戦だって、あれがなければタイガースじゃなくてドラゴンズが優勝していたかもしれない。そういう、今までだったらイレギュラーな要素が入ってくることによって優勝するということがより難しくなるし、日本一になるということにより大きな価値が生まれると思うのだ。