無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

RISING SUN ROCK FESTIVAL 2005 in EZO〜(4)連覇に沸くの巻。

■2005/08/20@石狩湾新港
 前日雨の音を聞きながら就寝したのは23時くらいだったはずで、そのまま9時までノンストップで寝た。ライジングサンでこんなにちゃんと睡眠をとったのは初めてかもしれない。やや曇りだが、雨は上がっていた。テントは雨なのか朝露なのかわからないが濡れており、やたらとクモが発生していた。顔洗った後朝食を取りに出かける。例年のように朝日新聞が朝刊を配布しているのでもらう。読みながら朝食。今日の話題は当然、駒大苫小牧高の2年連続甲子園決勝進出である。当然の如く朝からビール。焼き鳥を2本とジンギスカン丼。たっぷり眠った後だけに腹も減る。
 
 会場内をブラブラと徘徊。昨年と同じく、朝日新聞が自分の好きな年月日の新聞の一面をカウパッチにして販売していた。はっきり言ってその一面はどうでもいいのだけど、サービスでついてくるRSRグッズが欲しいので今年も買う。昨年は扇子、今年は手ぬぐいだった。一面の日付は何でもいいのでとりあえず連れの生まれた日にした。そのうち開場時間になったらしく、レジャーサイトにどんどん人が入ってゆく。
 この日の昼一発目にどこに行くかというのは連れとも悩んでいたのだけど(つまりは絶対ここという決め手がなかったわけだが)、結局グリーンオアシスのDEPAPEPEに行くことにした。この日の午後のグリーンオアシスは癒しunder the skyと題されたコンセプトで、アコースティックなアクトが夕方まで続くのだった。テント内は座って聞くことが義務付けられ、非常にゆったりとした雰囲気が心地よかった。DEPAPEPEは爽やかでありつつもしっかりと自分たちの音楽を届けようという強い意志を感じさせるステージ。きちんと聞いたのは初めてだったのだけど、どの曲にも歌心があり、ギターインストというマイナーなスタイルをポップに昇華している。飛び跳ねてガンガン行くのもいいが、こうしてまったりとアコースティックな音に身を任せるのもいいものだ。
 続いてはサンステージに移動し、氣志團。個人的には昨年の東京ドーム以来、ランマ復帰後初のGIGとなる。セットリストを列挙すると、「房総スカイライン・ファントム」「デリケートにキスして」「ゴッド・スピード・ユー」「スウィンギン・ニッポン」「夢見る頃を過ぎても」「俺達には土曜日しかない」「One Night Carnival」の7曲。今年に入ってからのシングルも交えてだが、正直この先の彼らがどっちの方向を向いているのかを示すようなステージではなかった。悪い内容だったわけではなく、小ネタ満載のMCも、演奏も、ダンサー達との絡みも、全てかっちりとまとまっていた。フェス仕様の短縮GIGとしては申し分なかったと思う。でも、そんな短いステージでも僕が今まで見てきた氣志團というのは必ず何かしらの意義というものがそのステージにあったはずだったのだが、今回は何か普通に終わってしまったという感じだった。もちろん今この文章を書いている今は新作も聞いているのでいろいろ思い当たるところはある。が、このフェスのときは少し不安も感じていた。
 氣志團終了後、連れは再び癒されにグリーンオアシスに戻った。(押尾コータロービフォーアフターが聞きたかったらしい)僕はレッドスターに向う。ちょうどTokyo No.1 Soul Setがやっていた。活動再開後の新作はチェックしてなかったけど、その昔学生の頃は『Triple Barrel』を死ぬほど聞き狂っていたものだ。「Hey Hey SPIDER」「JIVE MY REVOLVER」「MORE BIG PARTY」なんかはやっぱテンションが上がる。今でこそサビのコーラスがポップなヒップホップと言うのは市民権を得ているが、当時は異端だった。そして改めて思ったのは今聞いてもやっぱりソウルセットは異端だということだ。現在のヒップホップ隆盛の先駆的なユニットでありながら、こんなユニットは今も彼らの他には存在していないのだ。ビッケのライムも川辺ヒロシのトラックも、安易な共感などはじき返す孤高の輝きを放っている。フェスという空間でもそのエッジは全く鋭いままだ。
 
 タワレコのブースでソウルフラワーの奥野真哉とかクハラカズユキとかが楽器のセッティングをしてた。どうもこの後セッションがあるらしい。そんな中、高校野球駒大苫小牧の決勝戦が佳境を迎えていた。街頭テレビに群がる民衆のように大勢がラジオに耳を傾ける。試合終了、駒苫の連覇決定とともにそこかしこで大歓声と乾杯の声があがる。その辺の屋台も優勝セールでビールや食べ物を値下げして大セール。知らない同士が抱き合いながら酒飲んで祝う。フェスという祝祭空間にこれ以上ないめでたいニュースであった。気分が盛り上がったところでサンステージに向う。次は奥田民生