無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

ライヴハウス札幌ドームへようこそ。

サザンオールスターズ Live Tour 2005 みんなが好きです!
■2005/12/17@札幌ドーム
 サザンデビューから27年。オレ生まれて33年。そしてこの日が初生サザン。お前は今までロックだなんだ言ってるくせにサザンすら見たことがなかったのかっつー話なんですが。すみません。何はともあれ連れと2人札幌ドームに行ってきました。札幌ドームで今まで見たコンサートというのはクラプトンとかエアロスミスとかイーグルスとか、洋楽の大御所がほとんど。日本のバンドでこの規模のアリーナをスポッと満員に出来るのはサザンをはじめ、一握りしかいないだろう。フェスに行けば何万人という数の人間がひとつの会場にいるというのは普通の体験だけど、それだけの人数がひとつのバンドのコンサートのためだけに集まるというのはやはりすごいことだと思う。会場は40代以上のおじさまおばさまや親子連れなど、普通のロックコンサートでは見られないような層の観客が目に付く。さすが国民的バンドである。
 パーカッションの三沢またろう氏(苫小牧出身)の微妙な前説で脱力した後、バンドが登場すると一気に会場が揺れる。『ステレオ太陽族』からという、初期からのファンには感涙モノのスタート。そして「希望の轍」で早くも会場中が一体になっての大合唱が生まれる。鳥肌モノの瞬間。これだけヒット曲があって、しかもそれがあらゆる年齢層に知られているというのであるから、2時間のコンサートの中でどうクライマックスを作るかというのはもう自由自在なのだろう。基本的には新作『キラーストリート』からの曲中心に、効果的にスクリーンの映像も使いつつヒット曲をちりばめていくというセット。個人的には「YOU」「海」「栞のテーマ」「Bye Bye My Love」の怒涛の4連発でもうマジ泣き。反則だよ。
 これだけ大きな会場でありながら全くその広さを感じさせないステージングは日本が誇るスタジアムバンドとしての貫禄(桑田佳祐のMCは単なるスケベオヤジだったけど)。曲の浸透力以上に、全く衰えを見せない桑田佳祐のフロントマンぶりと完璧なバンドの演奏がグイグイと数万の観客を掌握し会場を支配していく様子は圧巻である。加えて、ドームという音響的には決して恵まれない会場でありながらきちんとサウンドを作る手腕はサポートメンバー、スタッフも含め、さすが百戦錬磨という感じ。その中で新鮮に感じたのはバンドメンバー個々のプレイヤビリティの高さ。特に、キーボードプレイヤーとしての原由子の上手さにはちょっと唸った。絶妙のタイミングで繰り出される絶妙のフレーズと音色は、間違いなくサザンのサウンドの根幹を成す要素の一つなのだと改めて実感。「ミス・ブランニュー・デイ」からは無数の風船が落ちてくるわ火柱上がるわでこれでもかとクライマックスを演出する。最新シングルで本編を締めくくり、デビューシングルでアンコールの火蓋を切るという流れもニクイ。全く飽きることなく3時間が過ぎて行った。
 昔からのファンも満足させつつ、しっかりと現在進行形のバンドの姿を中心に据えたコンサートだと思った。新作の感想でも書いたように、なぜ今サザンとして活動するのかという理由がここにはあった。往年のヒット曲をやっても単なる懐メロショウにはならない。現役感覚とバランス感覚が桁違いなのだ。やはりこれだけ長い間第一線で戦い続け、結果を出し続けてきたバンドは基礎体力が違う。80年代に彼らのライヴを見てみたかった、という未練はいまだに少なからずあるが、2005年でも全然手遅れじゃなかった。そのことがいちファンとして何より嬉しいのである。

■SET LIST
1.Big Star Blues(ビッグスターの悲劇)
2.MY FOREPLAY MUSIC
3.希望の轍
4.神の島遥か国
5.セイシェル〜海の聖者〜
6.愛と死の輪舞
7.JUMP
8.愛と欲望の日々
9.別離
10.ごめんよ僕が馬鹿だった
11.リボンの騎士
12.YOU
13.海
14.栞のテーマ
15.Bye Bye My Love
16.からっぽのブルース
17.恋するレスポール
18.夢と魔法の国
19.キラーストリート
20.限りなき永遠の愛
21.ロックンロール・スーパーマン〜Rock'n Roll Superman〜
22.ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)
23.マチルダBABY
24.イエローマン〜星の王子様〜
25.BOHBO No.5
<アンコール>
26.勝手にシンドバッド
27.TSUNAMI
28.LOVE AFFAIR〜秘密のデート〜
29.心を込めて花束を