永遠の挑戦者
- アーティスト: Pearl Jam
- 出版社/メーカー: Sony
- 発売日: 2006/05/02
- メディア: CD
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スプリングスティーンの『デヴィルズ&ダスト』がそうだったように、この経験がパール・ジャムにとっても次のアルバムに強く影響を及ぼす事は想像できた。そして生まれたこのアルバムは、若々しくはつらつとしたギターリフで幕を開ける力強いアルバムとなった。どん底の暗闇から、このアルバムに漲るエネルギーを手に入れるためにどれほどの苦悩と葛藤があったことかと思う。ただ、ひとつ確かな事は彼らは決して戦いを止めなかったという事だ。前回の大統領選で、彼らはアメリカという国にも、再びブッシュを選んだ国民にも、大きく絶望したはずだ。それでも、もう一度拳を上げることを選択したのである。その決意として、このアルバムはセルフタイトルを冠したものでなくてはならなかった。のだと思う。
あれから5年経った。が、ビンラディンは今もどこかで生存し、戦争はいまだに若者の命を奪い続けている。そして最近になり、同時多発テロの際の粉塵が当時救助活動をしていた警官や消防隊員の体に異変を起こしているのだという。何も終っていない。そんなニュースを見つつ、このアルバムを聞くと、じわじわと息苦しくなるような、生臭い感覚にとらわれる。
何度負けても傷ついても、ボロボロになっても瓦礫の中から立ち上がる「ロック」。パール・ジャムはまさにそれを体現するバンドだ。