Everything,Everything.
- アーティスト: Underworld
- 出版社/メーカー: Ato Records / Red
- 発売日: 2007/10/16
- メディア: CD
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ダンスミュージックとして、フロアでの新たなアンセムとなりえるような曲は、「クロコダイル」をはじめ数曲程度である。その他は、基本的には抑制されたビートとアンビエントとも言えるストイックなサウンドスケープが全編を支配している。カール・ハイドのボーカルが印象的なメロディを紡ぐが、決して盛り上がるタイプの音楽ではない。どちらかと言えば、家の中でヘッドフォンで聴きたいタイプのものだ。非常に穏やかで心地良い音空間が構築されている。こういうトーンで今作を統一したのはもちろん意図的なものだろう。ニュー・レイブのようなロックの潮流に左右されるでもなく、大御所としての静かなプライドと確固たる自信を伺わせるアルバムになっていると思う。そして、こういうサウンドが彼らの今後を指し示すものかと言うと、決してそうではないとも思う。フロアを爆発させるような曲も作るだろうし、もっと前衛的な音楽もあるかもしれない。その時々あるいはメディアによって自分たちのどういう側面をパッケージするかを冷静に取捨選択しているのじゃないかと思う。
アンテナを高くして、様々な視点から捉えないと、現在のアンダーワールドの活動は見えてこない。正直面倒くさい(ホメ言葉のつもり)。