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無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

かしまし娘の成長。

チャットモンチー 「チャットモンチー 2009 いま一度ライブハウスを洗濯し申す!ツアー」
■2009/06/26@Zepp Sapporo
 ツアータイトルは坂本龍馬の「日本を今一度、洗濯いたし申し候」という言葉から。Zepp SapporoでのライヴはBase Ball Bear、シュノーケルと共に回った「若若男女ツアー」以来約1年ぶり。実はそのときはZeppの入りが少し物足りないものだったらしく、本人たちはこのワンマンで少なからずリベンジの意識を持って臨んでいたそうだ。しかし本人たちも言っていたが、始まってしまえばそんな気分はどこへやら、単純にこの夜のライヴを最高のものにしようというシンプルな意識で貫かれた、すがすがしい時間だった。
 最新作『告白』の曲を中心としつつも、意外と『耳鳴り』の曲が多い。そして、改めて聞いてみると非常にいい曲が多い。いまさら何を、という感じだが、個人的に『耳鳴り』→『生命力』→『告白』と一足飛びで成長してきたような感があったので『耳鳴り』を過小評価していたかもしれない。途中、「ハイビスカスは冬に咲く」と「ツマサキ」ではアコースティックセットに。まだ若干ぎこちない感はあるものの、これまでとは違うアプローチでバンドの可能性を広げていこうという意思が見えた。「8cmのピンヒール」から始まる後半は今まで以上にバンドアンサンブルをきっちりと詰めた濃密な時間だった。特に「染まるよ」のしっとりとした演奏から、「余談」「やさしさ」と橋本絵莉子作詩の曲連続パートはテンション的にもピークだったと思う。本編ラストは「Last Love Letter」「恋愛スピリッツ」と、シングル曲でしっかりと締め。でっかい花火を打ち上げたようなラストだった。アンコールのラストは「ハナノユメ」。デビューミニアルバムの1曲目を飾った重要な曲である。初心忘れるべからず、ということだろう。彼女たちがこのツアーで何を確認し、何を目指そうとしているのか。そんなことも考えさせられるセットだった。
 しかし、見れば見るほどに不思議なバンドだと思う。演奏は決してうまいわけではないが、この3人にしか出せない独特なグルーヴがある。パッと見はキュートな女の子3人組なのに、出ている音はボトムが太く、歪んだギターのリフが芯になっている。橋本絵莉子ストロークには90年代オルタナの匂いがする。それでいて、MCは普通の女子の会話みたいである。この日のネタは前日居酒屋に行った際の豆知識。「スコヴィル」という辛さの単位について。ピーマンが0スコヴィルハバネロは30万スコヴィルらしい。スコヴィル値というのは辛さを薄めるために何杯の水が必要か、ということで決まるのだそうだ。なんやねんそれ、みたいなことをケラケラと笑いながら福岡晃子は楽しそうに話す。そんな姿を見ているだけでこちらも幸せになる。本当に不思議で、面白いバンドだ。

■SET LIST
1.風吹けば恋
2.とび魚のバタフライ
3.長い目で見て
4.真夜中遊園地
5.シャングリラ
6.一等星になれなかった君へ
7.どなる、でんわ、どしゃぶり
8.あいまいな感情
9.ハイビスカスは冬に咲く
10.ツマサキ
11.8cmのピンヒール
12.CAT WALK
13.染まるよ
14.余談
15.やさしさ
16.Last Love Letter
17.恋愛スピリッツ
<アンコール>
18.恋の煙
19.ハナノユメ