読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

JOIN ALIVE感想〜1日目(2)

■2010/07/17@いわみざわ公園
 The Birthdayをレジャーサイトでなんとなく聞いた後、フューチャーに移動してフラワーカンパニーズ。フューチャーフラワーズという名のステージで、ここまでは若手の期待株バンドが続いた後のトリがデビュー20年のおっさんバンド。前のOKAMOTO'Sが平均年齢19歳で、フラカンは平均41歳と自虐的にネタにしつつも、堂々のトリである。グレートマエカワは「トリでポスターのバンド名が大きかったのが嬉しかった」と言っていた。メジャーとインディを行き来して紆余曲折のバンドキャリアを歩んだ彼らだが、ここに来て再評価の機運も高まり、いい作品を立て続けにリリースしている。安定したバンドアンサンブルと的確に笑いを取るMC、何より曲の良さでどんどん一見さんをも自分たちの世界に引き込んでいく。白眉だったのは「元少年の歌」から「深夜高速」の流れ。20年間一度のメンバーチェンジもなく、いい時も悪い時も経てここにたどり着いた4人の人生が透けて見えるようだ。それは僕のようなおっさんには、自分のこの20年間を振り返る体験にもなる。「生きててよかった」という切実な叫びには、ベテランバンドだからこその説得力が滲み出てくるのだ。フラカンがデビューした頃には生まれていたかどうか、という若い兄ちゃんが「深夜高速」で泣いていた。素晴らしいクライマックスだった。「恋をしましょう」の後、「真冬の盆踊り」で全員を踊り狂わせて、終了。ステージが始まった頃とは集まった人の数も、彼らを見る視線も全てが変わってしまうようなステージだった。フラカン勝利!アンコールがかかったのも当然と言えるが、前にも書いたようにこのフューチャーとローズステージは位置の関係で同時に音が出せない。こちらでアンコールをしてしまうとメインステージの進行が押してしまうのだ。おそらくはそういう事情でフラカンのアンコールはなかった。非常に残念で、もったいないと思う。こういう事態を回避する策を来年以降はぜひ考えてもらいたい。ともあれ、フラカンは素晴らしかった。個人的には1日目のベストと言ってもいいくらい楽しく、感動した。

 続いてはローズステージで ACIDMAN。陽も落ちてきて、ステージの照明が映える時間になってきた。「A beautiful greed」のインストに乗って3人が登場。そのまま「±0」「CARVE WITH THE SENSE」と同アルバムの曲を立て続けに演奏。「FREE STAR」で会場が一体になった後、「赤橙」で盛り上がりは頂点に。この辺の押し引きというか、ライヴの上手さはさすがという感じ。彼らももう10年選手だもんなあ。このあたりでとっぷりと日も暮れ、「じゃあ夜の歌を」と始まったのは「プリズムの夜」。暗い、夜の森にしっとりとしたメロディーが溶けていく。新曲「DEAR FREDOM」はエッジーなギターリフで始まり、サビで感情が爆発するような曲。激しいが、同時に物悲しさや厳しさも感じさせる曲だ。「REMIND」から「ある証明」へと続き、終了。来る新作への期待が増すような、どこか吹っ切れたようなステージだった。

ACIDMAN SET LIST
1.±0
2.CARVE WITH THE SENSE
3.FREE STAR
4.赤橙
5.プリズムの夜
6.DEAR FREEDOM
7.REMIND
8.ある証明

1日目のメインステージ、トリはthe HIATUS。実は生で見るの初めて。セカンドアルバムが出たばかりだが、1枚目に比べアレンジも曲自体もさらに奥行きが深く、ロックという表現から逸脱するような瞬間が多くなったあのアルバムをどうライブで表現するのかというのも非常に楽しみだった。結論から言うと、あらゆる意味で圧倒されてしまった。演奏そのものの迫力や曲の再現力、表現力、アレンジ、そういう音として現れる要素だけでなく、ステージにかける気合であったり、覚悟であったり、精神的な部分でも高いレベルで一体となっているバンドなのだと思った。腕利きのミュージシャンたちをそういう形でまとめているのは他でもない、細見武士という人の才能と人間性であるわけだ。その細見は、1曲終わるたびに「楽しい」を連発し、この北海道の自然の中でのパフォーマンスを心から満喫しているように見えた。それが音としてリラックスしたり弛緩したものとして現れないのが面白い。
 端的に言えば、HIATUSというのは欲張りなユニットだと思う。どんな激しいバンドよりも激しく、どんなに美しいメロディーを歌うバンドよりも美しく、どんなポップなバンドよりもポップで、どんな前衛的なバンドよりもプログレッシブであろうとしているかのようだ。スピード感ある曲で一気に会場の熱を上げたかと思えば、「Walking Like A Man」や「Antibiotec」ではおよそ再現不可能ではないかというようなサウンドを人力で鳴らしたりする。すごいバンドだと思うし、逆にこの先どこまで行ってしまうのか、あるいはこれを超えるものをいずれ細見はELLEGARDENとして鳴らすつもりなのか、色々なことを考えてしまった。アンコールを含め16曲。1時間以上にわたるステージで、JOIN ALIVE1年目初日は終了した。

the HIATUS SET LIST
1.The Ivy
2.Storm Racers
3.My Own Worst Enemy
4.Monkeys
5.紺碧の夜に
6.Walking Like A Man
7.Ghost In The Rain
8.Lone Train Running
9.Doom
10.Antibiotec
11.The Flare
12.Silver Birch
13.ペテルギウスの灯
14.Insomnia
<アンコール>
15.Notes of Remembrance
16.西門の昧爽