モノポリーをコンピュータゲームにする場合、最も大切なのは相手のキャラクターを明確にすることだ。相手との交渉がゲームの上で必要不可欠なものであるので、顔も匂いも何もない機械相手ではクソも面白くないのだ。その意味で
スーファミ版の
モノポリーは非常に良くできていた。アホみたいな交渉でOKしてしまうアメリカ人やなぜかロボットがいたりいやらしい交渉しかしかけてこないオヤジがいたり何がなんでも鉄道にこだわるマニアがいたり、そういうキャラ付けがしっかりなされていたので退屈しないで遊べた。それに対してPS版で以前出た
モノポリーは、全くの
クソゲーだった。そういう、コンピュータ側のキャラが全くなかったのである。色分けされているだけで、相手の思考ルーチンに何の区別もないのだ。どれも同じ。ショッカーの戦闘員相手に
モノポリーをしているようで勝ったところで何のカタルシスもなかった。速攻売り払った。そんな、
モノポリーに飢えていたおれの前に現れたのがこのゲーム。これはいい。総勢48人のキャラが登場する。
長島監督やたけしなどのスポーツ選手やタレントをもじったキャラがいたり、
エジソンや
アインシュタイン、
坂本竜馬といった歴史上の人物から宇宙人まで出てくる。相手の台詞もそれなりに楽しめる。家の建て方や好きなカラーグループなどに個性もあって、それなりにスリルのある交渉ができる。物件が抵当に入っていてもいなくても交渉のレートが変わらないなど、多少の難はあるが、
モノポリーゲームとしてはかなり出来のいい方だろう。初心者用にルール解説などもあるし、マルチタップがあれば人間5人でも出来る。(しかし、
モノポリーのできる人間を5人そろえるのが至難の業なのだが)
前述の
スーファミ版も、このPS版も監修は第8代
モノポリー世界チャンピオンの
百田郁夫氏である。やはり
モノポリーの醍醐味を知っている人が作るとちゃんとそれなりのものができるのである。というわけで今日もおれはサイコロを振るのだ。「5・7・8だ〜5・7・8来い〜!」