無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

アヒト・イナザワZAZEN BOYSから脱退。

ちょっと待て。マジかよ。信じられない。向井本人のコメントを読むと「彼とのバンド活動に対する考え方、テンションのズレからこれ以上続けてもダメ」ということのようだが。
残念だ。残念だ、というか、ものすごい喪失感。ある意味バンドが解散した以上のショック。だってねえ。NUMBER GIRL以来、向井秀徳のバンドサウンドの中心にはまずアヒトのドラムがあったわけでしょう。まさしくそれが心臓であり、エンジンであり、そのドラムに匹敵するギターとベースと言葉を模索し、高め、唯一無二の音楽を生み出してきたのではないのか。それがなくなってしまうというのは当然、1/4のメンバーがいなくなるというだけのものではなく、バンドの根幹が揺るがされかねない事件のはずだ。ZAZEN BOYSのセカンド、そしてツアーが非常にすばらしいものだっただけに喪失感、虚脱感も大きい。
もちろん、そのズレや違和感を放置したままバンドを続けられないという向井の主張もわかる。彼はこういうやり方しかできないし、NUMBER GIRLを解散したのだって結局は今回と同じ問題から出てきたものだ。ZAZEN BOYSになって以降、さらに向井の理想を追い求める姿勢は揺るぎないものになってきているのは端から見てもよくわかるし、だからこそファンは彼を信頼しているのだとも思う。だからこそ、こういう結果が生まれてしまったことが残念でならない。この先のアヒト・イナザワ氏、そしてZAZEN BOYSの活動に期待はするが…。今はそんな気分にはなれない。