汚れちまった悲しみに。
- アーティスト: Libertines
- 出版社/メーカー: Import [Generic]
- 発売日: 2002/10/15
- メディア: CD
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ロンドンから現れた4人組。フロントマンの二人(ピーター&カール)が全て曲を書いている。ささくれ立った苛立ちと不満をそのまま落としこんだビートはとにかく性急で、当時の彼らの生活そのまま(らしい)歌詞は、行き場のない衝動と欲望を爆発させる。その全てがいちいち突き刺さる。彼らにとっては、ロンドンの底辺から這い上がり、生き残るためにはロックンロールしかなかったのだろう。そんなリアリティが全編、どの言葉、どの音からも匂って来る。
ミック・ジョーンズがプロデュースしていることからも、クラッシュの名前がよく出てくるけども、ギターのフレージングにはスミスの匂いが感じ取れたりもする。こちらの琴線を見透かしたかのようにツボを押してくるメロディーセンスにはもう抗う術はない。オリジナル・ロンドン・パンクだけでなく、ある意味UK の正統ギターバンドの系譜に沿ったバンドともいえるだろう。でもまあ、そんな解釈などどうでもいい。ここには間違いなく今の若者のためのロックンロールがある。このボロ雑巾のような音が僕にはとても輝かしい希望に聞える。裏通りのゴミ溜めからダイヤモンドを産み出すこと。そう、ロックンロールの奇跡がここにも確かに存在している。