一番原作通りだったのはワタリ=藤村俊二かも
■DEATH NOTE 〜the Last name
■監督:金子修介 ■出演:藤原竜也、松山ケンイチ、戸田恵梨香ほか
DEATH NOTE デスノート / DEATH NOTE デスノート the Last name complete set [DVD]
- 出版社/メーカー: バップ
- 発売日: 2007/03/14
- メディア: DVD
- 購入: 3人 クリック: 212回
- この商品を含むブログ (182件) を見る
藤原竜也は個人的にやはり演技が好きではないのと、字が汚い(優等生に見えない)ことも含めてちょっとダメだった。L役の松山ケンイチは風貌含めて素晴らしい。口調を無理やり外し気味にしているのはややわざとらしかったが。ミサ役の戸田恵梨香は、もっとイタいかと思っていたが、あまり飛び抜けた感もなく、好演だったと思う。第2のキラとして拷問を受けるシーンは、その筋の人にはたまらないかもというくらいフェティシズムに溢れていて、製作者側の強い意図を(ここにも)感じました。そうなるとやはり、CGの死神が違和感を覚えることになってしまう。CGは、結局金と時間をかけたものには適わない。ハリウッドには適わない。仕方ないんだけど。
映画版独自のストーリー展開は、原作とは異なりLとキラの戦いにおいてLに勝たせるという結末にしなくてはならなかったので、ヨツバ編や第2部のラストを含め、再構築したような形になっている。ヨツバの代わりに高田清美を持ってきたのは、原作のキャラクターを使い切る意味でもうまいやり方だったかも。そして、最後のどんでん返しの部分についても、デスノートの使い方の裏をかいた、いい方法だったと思う。細かい矛盾は置いといて、Lが命を賭してキラを追い詰める、キラに勝つ、という決意がはっきり出てるし、総一郎がその作戦を承諾するというのも説得力が生まれる。そして、前述した本編の結論を、最後に総一郎に言わせるというのは、この映画の父性の象徴とも言えるもので、加賀丈史をキャスティングしたのは良かった。Lの最後のシーンでのやり取りも、Lと総一郎の擬似親子関係のようなものが透けて見えて、原作には無いいいシーンになったと思う。
デスノートのルールに関しての説明がやや希薄で、原作未体験の人間には不親切な部分はあるかもしれないが、映画として単独で十分楽しめる作品になっていると思う。正直、もっとグダグダなものになると思っていたので嬉しい誤算。