移民の歌。
- アーティスト: White Stripes
- 出版社/メーカー: Warner Bros / Wea
- 発売日: 2007/06/19
- メディア: CD
- 購入: 2人 クリック: 15回
- この商品を含むブログ (72件) を見る
タイトル曲はメキシコからの移民に対しての政策について、アメリカ政府へのストレートな批判というべき内容になっている。こういう内容を書くのも彼らにしては珍しいことだろう。彼らは、非常にトリッキーなアプローチではあるが、ブルースという音楽を現代的に解体し、再解釈するということを一貫して行ってきたバンドだ。その中で、元々はアフリカから奴隷としてアメリカに連れてこられた黒人の歌から発生したブルースという音楽に対して、「移民」というキーワードが彼らの政治的な発言を後押しするのも頷けることではある。生まれてもいないはるか昔の話に想いを馳せるよりも、今目の前で起こっていることと自分の追い求める音楽を繋げて、2007年のブルースを作り出すこと。ホワイト・ストライプスがやろうとしているのはそういうことではないのだろうか。外部楽器の導入もそういう中で自然と出てきたことなのだろう。
全体としては、前作よりもギターが前面に出ているし、メロディーも、リフもフックのある、聞いていて気分が高揚する音になっている。彼らのアルバムの中でも割と派手なサウンドと言っていいだろう。それでいて、落ち着いてじっくり聞くと聞くたびに体に染みてくる。いいアルバムだと思う。