極点。
- アーティスト: ブンブンサテライツ,BOOM BOOM SATELLITES
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
- 発売日: 2007/11/21
- メディア: CD
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彼らの音楽は現状の自分らを取り巻く世界のムード(もっと小さく言えば音楽シーン自体)に対する強烈な違和感があり、それをどう打破しようか、どう周りをそれに向けて鼓舞しようか、という意思を持っていると思う。しかし、特に『UMBRA』や『PHOTON』の頃に顕著だったけれども、そういう意識が内省に向かいすぎてしまうと音楽としての機能性をスポイルしてしまう。結果、ダンスミュージックとしてもロックとしても居心地が悪い感じになっていたとも思う。それが外に向いて行ったのがこの数年の彼らだったと思う。しかしそれでも、彼らが一音一音に込めた高い意識というのは『UMBRA』の頃とは変わっていないと思うのだ。アウトプットとして今は開かれたものになっているというだけのことだと思う。
一昨年くらいからロックとダンスの融合みたいなキーワードが再び語られるようになってきた気がするけど、ブンブンがそこに括られることはなかった。そもそも彼らはデビュー時からずっとそれをやってきたのだし、彼らが強力なビートを欲するのもロック的なサウンドを希求するのも単なる快楽性の他にそうでなければならない理由があるからなのだ。3部作、と言ってしまっていいのかわからないが、『FULL OF〜』以降今作に至るまで、その独自性と他の追随を許さないサウンドクオリティでロックとしてもダンスとしても揺るぎないポジションを作ってしまったと言っていいと思う。ここまで行ってしまったら、次はどうするんだろう。これ以上のものがこの先にあるんだろうか。そんな余計な心配をしてしまうほどにこのアルバムは完璧なフォルムを持っている。