先に進むために。
- アーティスト: REM
- 出版社/メーカー: Warner Bros / Wea
- 発売日: 2008/04/01
- メディア: CD
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R.E.M.に限ったことではなく、00年代のロック(特にアメリカの)はやはり9.11を抜きにしては語れないし、極端な話、あの事件以降一変した世界情勢の中でどう生きていくのか、ということを不可避のテーマとせざるを得ないものになってしまったのではないかと思う(もちろん、アーティストによってその程度は異なるが)。R.E.M.のように具体的な行動も起こしてきたアーティストはまさにそのテーマに飲み込まれ、その中からいかにして自らのロックを取り戻すのか、という戦いを強いられたのではないかと思う。ブルース・スプリングスティーンやパール・ジャムが乗り越えたように、R.E.M.もこのアルバムでようやくその地点にたどり着いたのではないか、という気がした。「ミスター・リチャーズ」という曲はまんまブッシュ大統領を揶揄した曲だが、彼ららしいあまりおかしくないユーモアに溢れている。こういう曲を自然と歌えるようになったのが何よりの証拠ではないだろうか。ここからまた前に進んでいくのだ、という気合が見える。アルバムタイトルにもそれが現れているような気がする。
最近のライヴのセットリストを見ると、前作の時のワールドツアーでは全くと言っていいほど演奏されなかった「世界が終わる日」をやっていたりする。そういうことなんだと思う。