ロックンロールの殉教者。
- アーティスト: ザ・クロマニヨンズ,真島昌利,甲本ヒロト
- 出版社/メーカー: BMG JAPAN Inc.
- 発売日: 2009/10/28
- メディア: CD
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形から入ってるんじゃないかと言えばそれまでで、全くその通りなのだけど、ロックンロールには大事なことだと思うのだ。そして全力で形をなぞることでロックンロールの真髄に触れるんだぜ、というのがヒロトとマーシーが本作で言わんとしていることなんじゃないか、とすら思う。前作では若干パターンが広がったかに思えたメロディーと歌詞も、本作ではまた一層削ぎ落とされている。「恋に落ちたら」に至っては「あのね」の3文字だけしか歌詞がない。でも、それだけで恋に落ちた瞬間の中二男子の心情をきっちりと描いてしまうところがすごい。ロックンロールに必要なものだけを選び取り、そのほかは切り捨てる。ハタから見たらムダにしか思えないようなことも、ロックンロールに必要なことは、やる。ヒロトとマーシーの取捨選択基準と行動原理は単純だ。そして単純だからこそ、深い。
ヒロトとマーシーの曲はやっぱりそれぞれに個性があって、聞けば大体どちらの曲かわかるものなのだけど、個人的に本作ではクレジットを見るまでどちらの曲か分からない、あるいは予想が外れたものが多かった。そのくらいヒロトとマーシーのイメージが近かったということなんだろう。二人で一つ、ではなく、二人で同じものが二つなのだ。今さらながらすごいコンビだと思う。