18本の美しい脚の振動。
GIRLS' GENERATION(期間限定盤)(DVD付)
- アーティスト: 少女時代
- 出版社/メーカー: NAYUTAWAVE RECORDS
- 発売日: 2011/06/01
- メディア: CD
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そう、可愛げがないのである。どこか落ち着いたトーンのアルバムのビジュアルもそうだが、例えば同世代の日本のアイドルのCDにあるようなキャピキャピした感じや、媚びが全くと言っていいほど、このアルバムには無いのである。楽曲でも、女の子らしいキュートなポップスといえば「Gee」くらいだろう。他の曲はカッコいい系のクールな女性、というちょっと大人びたイメージのものが多い。この辺は、日本と韓国のアイドルという存在の違いから来るのか、彼女らのプロモーションの仕方がそうなのかというのは詳しくはわからないのだけど、「アイドル」という言葉だけで日本のそれと同じ線の上でこのアルバムを聞くと面食らうだろう。
僕は正直に言えば「少女時代の曲」のファンではあるが、「少女時代」のファンではない。いまだにメンバー9人の名前も顔も判別できないままだし、もっと言えば現在のところそこまで興味が無いのだ。最近あまりテレビを見ないのでわからないのだけど、少女時代が歌番組やバラエティで20才前後の女の子っぽい素の表情を見せたり笑いを取ったりということはあるのだろうか。あるのかもしれないけれど、そういうキャラクターはこのアルバムの中には現れていない。
僕は理想のアイドルグループというのは特撮戦隊ヒーローのようなものだと思っている。ゴレンジャーでもサイボーグ009でもいいのだけど、各メンバーそれぞれに明確なキャラ付けがあって、それぞれの魅力や役割があり、それが集まってひとつのチームとしての輝きを放つ。そういうものだと思う。全盛期のモーニング娘。や、まさにメンバー色分けされているももいろクローバーなどはそうだろう。だから特定のメンバーがいなくなったり新しいメンバーが入るとグループそのものの表情やイメージまでが変わらざるを得なくなるのだ。(AKB48は構造としては少し違うのだけど、上位メンバーの入れ替えという強制的なイベントを発生させることでグループ存在そのものに強烈なドラマ性を持たせてしまっている。と同時にメンバーのキャラも立てているという意味では似ているとも言える。)
話が逸れた。前述のような定義で見ると、少女時代の各メンバーには明確なキャラ付けが見えない。少なくとも、このアルバムにはそれを生かした曲はない。センターが誰であるかは関係ないのだ。誤解を招かないように言っておくと、僕は別にこの点において少女時代を批判しているのではない。ただ、いわゆる日本のアイドルグループとは打ち出し方が全く違うというだけだ。このアルバムからはファンが彼女らに感情移入できるような隙間や萌え要素、もしくはこのメンバー9人でなければならないドラマ性などは殆ど見えてこない。ただただ素晴らしい楽曲が12曲並んでいる。それを9人の女の子が完璧に歌って、演じている。その自信と凄みだけで成立している、とんでもないアルバムだと思う。