無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

つまりB級。

ミッション・トゥ・マーズ [DVD]

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 途中までは良かったんだけどねえ。結構面白かったんだけどねえ。ティム・ロビンスはやっぱり上手いし。『アポロ13』で涙を呑んだゲイリー・シニーズも今度はちゃんと宇宙に行けて良かったね、と。思っていたのだが。結局何が言いたかったのだろうかこの映画は。多分『2001年宇宙の旅』を見た人もこう思ったのだろう。でも、こういう、なんて言うのかな。人類は、というか生命はどこから来て、とか、そういうことをSF的に、哲学的に突き詰めよう、というそういうものではないんだよね、この映画。かといってSFX見本市のようにどうだこれでもかという特殊効果で見るものを驚かすエンターテインメントでもない、すごくリアクションに困る映画だ。
 火星に降りたところまでは良かったんだけど、そこからの展開があれよあれよと言う間に電波系になっていった。一応クライマックスだと思われるシーンはまるでエヴァンゲリオン劇場版のようで、ええと、要するにとても困ってしまった。ただ、宇宙船のディテールとか、細かいところはかなり力入っているようで、マニアの方にもご満足いただけるのではないでしょうか。