無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

JAM、最後の夜。

JUDY AND MARYWARP TOUR
■2001/03/07-08@東京ドーム
 最初に。セットリスト、ちょっと自信ないです。多分大体あってると思うんですが。2日とも見ましたが、2日目の方がヒットソングメドレー的にやってましたね。初日には「クラシック」も「ミュージックファイター」もなかったし。その代わり「手紙をかくよ」とかやってたと思う。初日は「くじら」がアンコールに来たりとか、若干メニューが違ったけど、基本的な構成は変わらなかったと思う。
 で、もう、とにかく、圧倒的なエンターテインメントショーだった。来た人間全員を満足させて帰すんだ、というプロ意識。これがJAMだと言う集大成的な意味も含めつつ、ポップバンドとしての役割を全てやり遂げたと言っていい素晴らしいライブだった。実際、彼らくらいの規模のバンドが百万単位のファンの思いを全て引き受けつつその使命を全うすることって、そうあるわけではないのだ。僕は『WARP』のレビューの中で「これくらいきれいに自分達の最後を演出したバンドはいない」と書いたが、そういうことだ。長い長い手紙を書き終えたところでちょうどペンのインクが切れたとでも言うような、そんなジャストな幕切れだった。天晴である。
 改めて思ったけど、東京ドームはデカイ。あまりにデカイ。ステージから目を離して客席を見ると、すごい光景だもの。でも、そんな信じられないようなデカイハコをライブハウスのように手玉にとってしまう堂々たるたたずまい。もうなんか、それだけで感動的だった。
 一曲一曲をかみしめるように演奏する4人。一曲一曲を残さず体全体で受け止める観客。ファンが言うのもなんだけど、幸せなバンドだったと思う。最終日、アンコールの拍手の中、僕の後ろの女子たちが歌い出した。「もっと遊んで 指を鳴らして 呼んでいる声がするわ…」そうだ。そう言えば、昨日も今日もやっていない。みんな聞きたいのだ。そしてその通り、ラストの一曲に彼らが選んだのは「Over Drive」だった。僕はJAMの曲は、基本的にアウトドアミュージックだと思っている。一人で部屋にいながら悶々と聞くのではなく、外の空気を吸いに出て、歩きながら聞く音楽だと思っている。青空にどこまでもまっすぐに伸びていくようなYUKIの声。「くじら」「ひとつだけ」「自転車」…、JAMのアップテンポな曲の方が、僕は全然感動してしまうのだ。この曲で終わってくれて、本当に良かった。
 2日とも、最後にステージに立った4人が手をつなぐ中、YUKIがバカでかいドームに向かって、マイクを使わずに感謝の言葉を叫んでいた。なにも使わず、生のまま、ありのままのコミニュケーションを望んだのだ。とてつもなくカッコ良かった。最終日、ドームの天井に浮かんだ「ありがとう」の文字は、そっくりそのままJAMに返そう。彼らがいなくなったステージに向かって、鳴り止まない拍手を聞いて涙が出てきた。繰り返すけど、本当に幸せなバンドだったと思う。
 さあ、明日も仕事に行かなくちゃ。

■SET LIST(3/8)
1.PEACE −Strings version
2.Rainbow Devils Land
3.WARP
4.Brand New Wave Upper Ground
5.LOLLIPOP
6.ひとつだけ
7.クラシック
8.そばかす
9.小さな頃から
10.風に吹かれて
11.RADIO
12.あたしをみつけて
13.PEACE
14.KYOTO
15.ラッキープール
16.カメレオンルミィ
17.The Great Escape
18.BIRTHDAY SONG
19.ミュージックファイター
20.くじら12号
21.ラブリーベイベー
22.LOLITA A GO-GO
23.motto

24.Over Drive