無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

18才のライブ。

Spirit Room

Spirit Room

 マドンナのマーヴェリック・レコードから出た18才の新人シンガー。ってことで、どうしてもレーベルの先輩であるアラニス・モリセットなどと比較されてしまうわけだけれども、別に大して共通点があるとも思わないので、そんな話はどうでもいい。でもまああえて比較してしまえば、アラニスはデビューした時点で既に恋愛にしろ仕事にしろイヤな部分をいろいろ見てきたんだろうなあ、と思わせるヘヴィーさがあったけれども、彼女の場合は皆無。曲はほとんど全てラブソングと言っていいわけだけれども、ストレートに自分の気持ちを打ち明けるようなものだったり、破局がテーマのものにしても「今までありがとう」みたいな、素直にあとくされなくみたいな感じのものになっている。メチャメチャ健やか。で、実際そういう風にきっと育ってきたんだろうなあ、と思うのだ、この娘。当たり前の話だけど、別にロックやってる人間の全てが精神破綻者だったりトラウマ持ちだったりしなきゃいけないわけじゃないし、こういう人がギターかき鳴らして「あなたに夢中なの」とか歌って日本で20万枚とか売れちゃうなんて、逆にすごく新鮮だと思う。
 ただ、サウンド的にはオーバープロデュースとは言わないが、なんかきちんとまとまり過ぎの印象。プロデューサーのせいなんだと思うけど。よく出来ているけど、引っ掛かりがあまりない。その辺も自分でやり始めればもっと面白くなるんじゃないのかな。