見てガッカリ。
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2002/12/21
- メディア: DVD
- 購入: 1人 クリック: 52回
- この商品を含むブログ (123件) を見る
猟奇的で、動機も見えない異常な殺人事件を、被害者の側からと、犯人側からと、映画の構成を大きく二つに分けて描いている。しかし、これは何とも…。原作本は死ぬほど売れているみたいだし、映画を見た限りでもストーリー的につまらないというわけでは決してない。でも、映画としてどうかといわれると、はっきり言ってつまんない。前代未聞の異常な殺人事件を描くサスペンス・ミステリーをやりたいのか、感動的なドラマにしたいのか、現代社会に対する警鐘としたいのか、どういう映画にしたかったのかという監督の意図が全く見ていてわからない。見終わった後に残るのは消化不良感だけ。
中居正広演じる主人公ピースは、異常な犯行を極めてゲーム的感覚で遂行していく。遺体が全く画面に出てこないために、観客もこの事件がリアルなのかなんなのか感覚が麻痺していく、そのあたりの演出は確かにわかる。そのせいだけではないけども、映画そのものもリアルさが欠如しているというか、そんな気がしてしまう。ラストも正直よくわからない。ピースは結局何をしたかったのよ?何だそのガキは?ていうか、これ、ハッピーエンドのつもりなの?ううむ、理解不能すぎる。アレだけ派手に宣伝しておいて出来がこれか、という失望感としてもこれはダメでしょう。何も知らないで見れば平均点くらいはあげられるけども。森田芳光も、どうしちゃったかなあ。『39』はすごく面白かったんだけどなあ。
演技的によかったのは意外にも木村佳乃。実年齢より上の役どころをしっかりやっていた。中居は、まあ、感情が欠落したという役どころなので、台詞に感情が入ってないのは正解だと思う。単に棒読みなだけだけど。そして小池栄子はなぜこんなにもビッチな役が似合うのだろう。