無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

ボンボンボーン。

Get Born

Get Born

 オーストラリア出身4人組のデビュー盤。ストーンズの前座に起用されたとか、本作では大御所ビリー・プレストンが参加してるとか、オールドロックファンをうならせる話題があるバンドだけど、実際、そういう雰囲気のロックを汗臭く実直に聞かせてくれるバンド。1曲目でヤられた人は多分最後まで納得して聞き通すことができるだろう。
 ロックンロールリバイバルとかガレージブームの文脈で語られることの多いバンドなのかもしれないけど、僕が思うにそういう所とはあまり関係なく本人たちはこの音楽をやっているのではないだろうか。国の先輩AC/DCとか大好きだったんだろう、きっと。「はあ?リバイバル?何言ってんの?オレらはもともとこういう音楽が好きだったんだよ」ってな感じな気がする。ガンガンに盛り上がるロックナンバーと、胸かきむしられるようなバラードが混在する構成も、ああ、 20年前のロックアルバムってこんな感じだったよなあ、と懐かしく思ったりもする。ただ、勢いまかせの無邪気な推進力が2003年の今という時代の真ん中を射抜いてしまうというマジックが働いているアルバムという気もして、この後どこまで意識的にこのスタイルを貫けるのだろうかといらぬ心配をしたりもする。セスター兄弟はギャラガー兄弟になれるのか?今のままではそれは無理だが、デビュー盤はこれで十分でしょう。