2度見ておいしい。
■アフタースクール http://www.after-school.jp/
■監督・脚本:内田けんじ 出演:大泉洋、堺雅人、佐々木蔵之介、常盤貴子、田畑智子他
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2008/11/28
- メディア: DVD
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母校の中学校で教師をしている神野(大泉)と、サラリーマンの木村(堺)は中学時代からの親友同士。産気づいた木村の妻を、仕事で忙しい木村の代わりに神野が病院まで送りとどけた。その日、夏休み中だが部活のため出勤した神野のもとに、同級生だという探偵(佐々木)が訪ねてくる。島崎と名乗る探偵は木村を捜していた。若い女性と親しげにしている木村の写真を探偵に見せられた神野はショックを受け、なかば強引に木村捜しを手伝うことになってしまう。その捜査の中で、神野の知らない木村の一面がどんどん暴かれていく・・・。
というのが大まかなあらすじで、プログラムにもここまでのストーリーしか書かれていない。これ以上詳しく書くと、結局見る意味がなくなってしまうからだ。後半でどんどん謎が氷解し、あっと驚く展開が用意されているのだけど、そのスピードが速く、一度見ただけでその全てを理解することは難しい。設定を頭に入れた上でもう一度見てみたくなってくる。なにげない台詞や行動など、そういうことだったのか!という仕掛けがいろいろあるのでその意味を確認しながら2回以上見るのがいいと思う。DVDが出たら買おうと思う。見ている側は「一体これはどういう状況なんだ?」といろいろ考えながら役者の行動や台詞を見逃さないよう集中しなくてはならない。その中で、いい人が悪役に見えてきたり、そのまた逆もあり、真実が何なのかどんどんこんがらがってくる。出番が多く重要な役柄である大泉洋はその表情の変化が最も大きいので、彼のキャラクターを追いかけているだけでも面白い。脚本の面白さもあるが、この役は彼でなくてはここまで魅力的にならなかっただろうし、北海道の水曜どうでしょうファンとしては役者・大泉洋の大仕事を見ることができて満足という感じだ。
タイトルの「アフタースクール」というのは文字通り放課後という意味ではなく、「学校を卒業したその後」ということだろう。物語は主人公たちの中学生時代にまで遡るが、それから30代になるまでどういう時間を過ごしたのか、そして今どういう人生なのか、ということが裏テーマにあると思う。最も印象に残った台詞は大泉洋の「お前がつまらないのはお前のせいだ」というものだったのだけど、監督が一番言いたかったのはこれなんじゃないだろうか。最後はほんのりいい話で終わるのでハッピーエンドが好きな人にはおすすめ。その甘酸っぱい青春時代に端を発するストーリーの主題歌をmonobrightが歌っているというのも絶妙なセレクトだと思う。
映画の中でいろいろと時系列は動くのだけど、回想シーンを除けば結局のところは1日〜2日で全てのストーリーが展開している。このスピード感もいい。大泉洋に興味がない人もぜひ。