無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

FUJI ROCK FESTIVAL '11感想(2)〜YMO降臨。

FUJI ROCK FESTIVAL '11
■2011/07/31@新潟県苗場スキー場
 フジロック3日目、我々にとっては2日目の朝。起きたら10時半。ということはゆうに7時間以上は寝たことになる。車中泊の割には熟睡した。天気は霧雨で、そんなに悪くは無さそう。田代駐車場近くの宿場の湯で風呂に入りさっぱりしている間にゲリラ豪雨的にすごい雨が降った。けど、すぐに止んだ。苗場の天気はすぐに変わるので予断を許さない。なんだかんだうだうだしているともう昼過ぎ。その間、iPhoneの充電ができたのは良かった。田代の駐車場からシャトルバスで会場に向かおうとするが、バスがなかなか来ない。来ても満員で乗れなかったりする。この辺の連携と言うか、もうちょっと上手く行かないものかな。結局1時間近く待たされてバスに乗車。WARPAINTに間に合うかなー、とか思ってたけど全然甘かった。会場に着いたのは14時半ごろ。とりあえずオアシスに行き苗プリカレーとビールを流しこむ。
 レッドマーキーモーサム・トーンベンダー。実はライヴ見るのは初めて。武井氏は夜店の屋台のテキ屋みたいないでたちで、でっかく「祭」と書かれた巨大なうちわを持って登場。そこからは轟音とキレ味のいいビートの一斉射撃のようなステージが展開された。笑ってしまうほどに無軌道すぎる。一番動きのない百々が冷静に見えるほど、武井と藤田の両名は好き勝手に暴れ放題。おなじみのビームサーベルの見せ場も決まり、ライブと言うか、びっくり人間大集合みたいなステージだった。すごいな、モーサム

 グリーンステージのフィーダーを横目に奥のエリアを見に行く。グッズテントでアーティストグッズを物色するも、主だったものはすでに売り切れか、ほしいサイズがなくなっていた。ケミカルとかYMOのTシャツほしかったなー。ミュージックのTシャツは9年前に買った1枚を大事に着続けることにする。どうしてもほしいグッズは初日から行く人に頼んで買っておいてもらうのがいいと思いました。ぐるぐるソーセージなどつまみつつ、フィールドオブヘブンへ移動。TINARIWENというアフリカのバンドが演奏していた。心地よいリズムと中東〜アフリカ風のメロディーが気持ちいい。トリップしそう。ヘブンにぴったりのバンドだな、と思った。オレンジコートにも行きたかったけど時間がなく断念。ホワイトに戻ってイースタンユース待ち。
 イースタンユース登場。演奏前の吉野のMCが良かった。「雨すごかったなー、大丈夫だった?まあでもどうしようもねぇよな、自然だもんな。」的なことを言って、「2011年、苗場。ドッコイ生キテル山ノ中」。と同時にジャアーーン、と演奏がスタート。ああもう、これだけで勝ち。カッコいい。基本的には直前のツアーをぎゅっと短縮したようなセットだが、その分テンションも密度高く濃縮されたような気がする。曇天を切り裂くような吉野のギターと声が苗場の森に溶けていく。ライブハウスで聞くのとは全く違う興奮がそこにはあった。「青すぎる空」「夏の日の午後」は、この季節、この自然の中で聞くことで感動が倍々ゲームになっていくような感覚。良かった。

eastern youth Set List
1.ドッコイ生キテル街ノ中
2.靴紐直して走る
3.沸点36℃
4.荒野に針路を取れ
5.這いつくばったり空を飛んだり
6.街はふるさと
7.青すぎる空
8.素晴らしい世界
9.夏の日の午後


 グリーンに戻って田んぼを歩きつつモグワイをチラ見。オアシスで塩豚丼をいただき、YMOに備える。YMOはグリーン前方で見たかったので早めに移動したが、人の多さと足元の悪さでなかなか前に進めない。結局、PAテントの少し前のあたりに落ち着いた。さあいよいよ、という期待感と緊張感がグリーンステージに満ちていく。メンバーが登場。YMOの3人は中央に高橋幸宏、左に坂本龍一、右に細野晴臣が並び、後列は左からクリスチャン・フェネス、権藤知彦小山田圭吾が位置に着く。静かにインプロビゼイションの演奏が始まり、どんどん緊張感が増していく。本編は「ファイヤークラッカー」でスタート。言わずとしれた、マーティン・デニー作曲の、YMO結成のきっかけとなった曲である。続いて「ビハインド・ザ・マスク」のイントロが流れた瞬間は電気が走ったようだった。基本的には教授のフレーズも打ち込みではなく手弾きが多く、勿論幸宏氏と細野氏のリズム隊は磐石である。生音が多いので、機械的な冷たさではなくテンションの高いグルーヴ感がそこには生まれる。YMOが数多のテクノユニットと違い、超一流の「ライブバンド」である理由はここだと思う。特に「京城音楽」とか「千のナイフ」のグルーヴ感はハンパなかった。小山田圭吾のギターも要所で利いてた。
 思わず「神!」と言ってしまいたくなるほどの豪華なセットリストだったが、過去曲は中心となるフレーズはそのままにアレンジ自体はほぼ作りかえられていた。きちんとコンテンポラリーな音にブラッシュアップされていながら、感触としてのオリジナル感は失っておらず、21世紀のYMOナンバーとしてどれも生まれ変わっていたと思う。「体操」では教授はメガホンでボーカルを取り、「ケイレンノウンドウ〜」で痙攣。世界のサカモトにこんなことやられたら一緒にやるしかない。懐古趣味の音では全くなく、そしてサポート含めた各メンバーの演奏技術の高さ、ライブバンドとしての能力の高さがわかる素晴らしいライブだった。何度でも言うけど、幸宏氏のドラムと細野氏のベースはすごい。生で見ることができて良かった。感動。

YMO Set List
1.Improvisation
2.Firecracker
3.Behind The Mask
4.Riot In Lagos
5.The City of Light
6.Seoul Music(京城音楽)
7.Gradated Grey(灰色の段階)
8.Taiso(体操)
9.1000 Knives(千のナイフ
10.Cosmic Surfin'
11.Rydeen79/07
12.Cue
13.東風