無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

RISING SUN ROCK FESTIVAL 2018 in EZO感想(1)~RAIN-DANCEがきこえる

■2018/08/10@石狩湾新港特設野外ステージ

1999年の1回目から数えて20回目のライジングサン。僕にとっても20回目のライジングサン。今年は出てくるアーティストも「20回おめでとう」「20周年おめでとう」という声が多く聞かれました。正確には20周年は来年なのだけど、まあその辺はいいとして、区切りの祝祭ムードに包まれていたのは間違いないのです。

会場内で会った知り合いや友人とも、過去のRSRの思い出などが話題の中心だった気がします。かと言ってそういう話になってもパッと思い出話やエピソードトークが出てくるわけでもなく。年々記憶も薄れていく中で、せめて形に残るように備忘録としてこうして毎年駄文を書き連ねているわけでございます。よろしければお付き合いください。

8月頭くらいまでは晴れの日が続き、気温も30度に届こうかという日が続いていた札幌でしたが、RSRの週になって一気に気温が下がってきました。天気も悪くなり、前日から雨。

基本は曇りでも問題ない、多少雨が降るのは仕方がないだろう。長靴は用意するとして、去年のような田んぼフェスティバルになりはすまい。この時点では、そう思っていました。

8時に道外の友人たちと待ち合わせをした時点では雨。会場内駐車場の列に並んだのが9時半ごろ。徐々に雨は上がり、晴れ間すら見えてくるほどでした。

おお、この調子で持ちこたえてくれれば言うことなしじゃないか。この時点では、そう思っていました。
https://www.instagram.com/p/BmR-c7IhJB5/
来て早々靴が壊れました。 #rsr18 #コロンビアブースでなんとかしてくれるかな

今年は会場のレイアウトが大幅に変わりました。風力発電の設備が会場内に建てられた影響でしょう。簡単に言うと、会場内駐車場とサンステージ含む周辺のテントエリアがそっくり入れ替わった形です。

今年は会場内駐車場もすんなり確保できてよかったと思っていたのですが、その会場内駐車場のオペレーションが最悪でした。これについては2日目のほうがさらに最悪だったので、そこで書こうと思います。

何はともあれ駐車場に荷物を置き、必要なものを持って会場に。テントエリアはジャガイモでした。アーステントのほぼ目の前です。その割に、アーステントに行く割合は年々減っているのですが。

今年は4区画で6つのテントを立てるという密集状態でしたが、全然いけました。テントを立て終わりみんなで乾杯。曇っていますが、まだ雨は降っていません。今思えば、テントを立てている時が一番天気が良くて暑かった気がします。
https://www.instagram.com/p/BmSQ8V5hwBU/
チキンカレー&ナン。 #rsr18

今年のライブはボヘミアンのスカートから始めました。生で彼らのライブを見るのは初めてだったのです。ボヘミアンでモヒートを飲みながら見るのに最高なライブでした。

とにかく曲がいい。ギターの音が気持ちいい。澤部渡はあの大きな体躯でとても美しい声で、そして繊細に歌う。そのギャップもいいです。

もうブームというには旬を過ぎていると思いますが、いわゆるシティポップ的な若いバンド。その多くは80年代~90年代の音楽を下敷きにしてちょっと懐かしいアレンジを施した感じのものです。その中にはちょっと7thや9thのコード入れておけばそれっぽく聞こえるでしょ?とお気軽に作ったと聞こえるものも少なくありません。スカートの楽曲はそういうものとは一線を画しています。

圧倒的な音楽に対する知識量と分析能力、そしてそれをオリジナルの楽曲に落とし込むソングライティング能力。そうしたスキルに裏付けられた音楽の深さが一聴しただけで伝わってくる。かと言って頭でっかちにもならず、カッティング一発で客を踊らせるグルーヴも合わせ持っている。好きですねこういう音。『20/20』は傑作ですけど、まだ持ってない過去作も辿って行きたいと思います。

https://www.instagram.com/p/BmTCSNqhPSN/
ボヘミアンでモヒート。 #rsr18

続いてはデフガレージに移動して四星球。この辺からちょっとぽつぽつ雨が落ちてきました。時間になってもメンバーは出てこず。ボーカル北島のアナウンスが流れます。要約すると、どういうライブをやったらいいかわからなくなったのでYahoo!知恵袋に聞いてみた。その答えの通りのライブをやりますというものでした。で、マネキンを置いたらいいんじゃないかということでマネキンに扮したU太とまさやんが運び込まれます。ドラムのモリスはクラーク博士に扮しています。

あとはまあ、いつもの四星球でした。運動会あり、段ボールあり、あいかわらずアホでした。楽しかったです。RSRは2年ぶり2回目ですが、どうせならデフの門番として毎年来てくれたらいいと思います。

■四星球
1.クラーク博士と僕
2.運動会やりたい
3.Mr. Cosmo
4.HEY! HEY! HEY!に出たかった

再びボヘミアンに移動。結構、雨が本格的になってきました。今年見ておきたかったアーティストの一人、NakamuraEmiです。演奏はアコースティックギターヒューマンビートボックスのみという非常にシンプルな構成。

NakamuraEmiはとても小さな体で、非常にパワフルに歌う人でした。音源で聞いた時も思ったのですが、カワムラヒロシのギターはアコースティックでも非常に切れ味が良く、絶妙なブレイクの入れ方とか実に上手いと思います。簡単に言えばめちゃくちゃグルーヴ感がある。

言葉の乗せ方は完全にヒップホップの感覚でありながらメロディーとコード感が失われていないので非常にキャッチー。サビの爆発力もあるので、今後もっと注目されていくアーティストだと思います。最新作に収録されている「新聞」という曲がとてもグッときました。ライブ初めて見ましたが、良かったです。今度はワンマンも行ってみたい。

NakamuraEmi
1.Don't
2.大人の言うことを聞け
3.かかってこいよ
4.(新曲)
5.新聞
6.モチベーション
7.YAMABIKO

ボヘミアンを後にして、急いでレッドスターに移動。今回、ここの導線が非常に狭く、慢性的に渋滞していました。マップを見てもらうとわかるんですけど、レッドスターからボヘミアンに行こうとするとサンステージやアーステントも同じ方向にあるんですね。同じ道を通らなくてはいけないんです。今回のレイアウトだとグッズ売り場の後ろの方なんですが、とにかく渋滞してました。なので、ここを通る時には時間的に余裕を見ておかないといけない感じでした。昨年まではサンステージやアーステントは反対側にあったので、レッドスターからボヘミアンに行く人とサン、アースに行く人は反対方向なのでカチ合わなかったわけです。この辺は、来年以降考えてほしいところです。

さて、アジカン。ちょうど1曲目「センスレス」の途中から見てました。ベストヒット連発!でもなければマニアックすぎる!というわけでもなく。フェス向きではなくてもファンには人気の曲を押さえるという感じのセットでした。何となく序盤は『ファンクラブ』時期のツアーのような雰囲気を感じましたね。「サイレン」無限グライダー」あたりはじっくりと聞いてました。後半の「Re:Re:」や「リライト」ではやはり盛り上がります。

ただ、デビューから15年以上経ってアジカンというバンドのシーンでの立ち位置や役割は確実に変わったんだな、という印象は受けました。言ってしまえばもうベテランなわけで、今後どういうやり方で自分たちの音楽を追及していくのか、分岐点に来てるのかなという気がしました。ラストに演奏したのはbloodthirsty butchersのカバー。これがなかなか良かったです。

ASIAN KUNG-FU GENERATION
1.センスレス
2.ブルートレイン
3.サイレン
4.無限グライダー
5.ノーネーム
6.マーチングバンド
7.Re:Re:
8.リライト
9.今を生きて
10.banging the drum(ブッチャーズのカバー)

(続く)