無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

RISING SUN ROCK FESTIVAL 2018 in EZO感想(2)~雨は夜ふけ過ぎに泥へと変わるだろう

■2018/08/10@石狩湾新港特設野外ステージ
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ローストビーフ丼。 #rsr18

雨は断続的に降り続け、かなり水たまりが目立つようになってきました。そういえば電気グルーヴは1回目のライジングサンのトップバッターだったんだよなあなどと思い出に浸りつつライブスタート。卓球と瀧の他、サポートDJに牛尾憲輔agraph)というおなじみのスタイル。

セットリストとしては前半から中盤にかけては昨年のツアーやライブを踏襲したもの。個人的に「いちご娘はひとりっ子」のライブアレンジが好きなのと、「SHAME」から「SHAMEFUL」の流れが鉄板で好きなので満足でした。途中からはアルバム『TROPICAL LOVE』にも参加したギタリストの吉田サトシがゲストで登場。「ユーフォリック」でのスペイシーなサウンドは気持ち良かったです。

そしてさらにサプライズゲストで日出郎が登場。今年、石野卓球リミックスでよみがえった「燃えよバルセロナ」を熱唱。「エクスタシー得たけりゃ肛門よー!」のコールアンドレスポンスを執拗に繰り返すSMプレイを披露。少なくとも過去20年ライジングサンの歴史の中で「肛門」という言葉がここまで連呼されたことは無いと思います。

電気グルーヴ
1.Fallin’ down
2.モノノケダンス
3.いちご娘はひとりっ子
4.SHAME
5.SHAMEFUL
6.MAN HUMAN
7.Baby’s on Fire
8.Slow Motion
9.ユーフォリック
10.燃えよバルセロナ(日出郎)
11.人間大統領

雨の中、そのままサンステージ前で待機してサカナクション。6月に見たZepp Sapporoのライブでは、終わらないレコーディングと、やりたいことと求められるものとの葛藤を正直に吐露していた山口一郎。その一つの答えがフジロックでのライブだったと思います。フジロックのセットリストはネットに転がっているので見てみてほしいのですが、今回のツアーのように所謂「深海」パートから始まるという、フェスのセットとしてはかなり挑戦的なものだったようです。後半は当然定番曲で盛り上がったようですが、ネットの反応にはやはり批判的なものもあったようです。

で、この日はどうだったかというと、実にフェスライクというか楽しめて満足いくセットだったと思います。フジの反省やリアクションも少なからずあったでしょうが、それだけではなかったのではないかと思います。序盤からアンセムを連打してエンジン全開で盛り上げる展開でしたが、中盤差し込まれた「さよならはエモーション」がポイントだったように見えました。ベスト盤『魚図鑑』には、「グッドバイ」の別バージョンを除いて2014年リリースのシングル曲がすっぽり抜け落ちています。これはベストにふさわしくないというのではなく、来たるべきニューアルバムの根幹を成す曲たちだからあえて外したのだと思っています。「さよならはエモーション」は、その中に含まれる曲なわけです。つまり、定番曲、盛り上がる曲で固めたセットでありながら、その中に自分たちの次のモードの先兵となる曲を入れ込んでいる。単純にヒット曲オンパレードでめでたしなだけではなく、やはり彼らは葛藤し続けているし、戦っているのだろうなと思いました。

サカナクション
1.サンプル
2.アイデンティティ
3.セントレイ
4.夜の踊り子
5.さよならはエモーション
6.ネイティブダンサー
7.ライトダンス
8.多分、風。
9.ミュージック
10.ルーキー
11.新宝島
12.陽炎
<アンコール>
13.三日月サンセット

断続的に降り続ける雨ですでに地面はドロドロの泥濘。昨年の記録を更新するであろう田んぼフェスとなりつつありました。特にひどかったのは会場内駐車場からのゲート周辺と、入ってすぐのテントサイト引換所回り。この辺は長靴じゃないと歩行困難なレベルで沼と化してました。そのため、今年のレイアウト的にレインボーシャングリラに行きづらい状況になってました。着替えもままならないと思いテントに戻り荷物を持ち、一旦車に戻って着替えました。この時点では長靴ではなかったので、靴下から何から全浸水です。すでに靴底は剥がれていたので、捨てるからいいやと泥の中に突っ込んで行った次第。このまま帰るか、深夜のライブを見るか迷ったのですがフィッシュマンズはあきらめてレキシだけでも見ようと思い再び泥の中へ。ちなみに、自分たちのテントはジャガイモでしたが、テント浸水はなかったです。

タイムテーブルが出た時点で期待されてたことですが、雨さえ降ってなければそれこそ夜明けまでででも演奏し続けるんじゃないかと思われたレキシfor Campers。さすがにこの雨では、そこまで長引かせることはできなかったようです。池ちゃん曰く「アフロは雨に弱い」とのことで、途中からは頭にタオルを巻いて風呂上り姿でライブしてました。

いつものように他のアーティストの曲を随所に引用しつつ、楽しいライブ。「GET A NOTE」では目玉おやじに扮したやついいちろうも登場。去年はB'z出てたから「稲トラソウル」やってたなー、と思いつつ今年は山下達郎御大が出るので「クリスマス・イブ」を。この季節にクリスマスはないよねー、というネタ的にやっていたと思うのですが、まさか本家がそれを超えてくるとはこの時にはレキシ本人はもちろん回りも思っていなかったでしょう。

元からセットにあったのかどうかはわかりませんが、レキシ本人がガチで歌う「さよならCOLOR」が聞けたのはなかなか貴重だったと思います。途中もかなり激しい雨でしたが、我慢して見に行って損はなかったです。

■レキシ
1.KMTR645〜タッチ
2.SHIKIBU
3.年貢for you〜クリスマスイブ
4.GET A NOTE(目玉のやつい)
5.KATOKU
乾杯〜レットイットビー
6.墾田永年私財法〜島唄
7.きらきら武士
8.狩りから稲作へ〜新宝島
9.さよならCOLOR
10.狩りから稲作へ〜きらきら武士(リプライズ)

カッパ着てたとはいえかなり濡れてたし、靴も足もぐちゃぐちゃの中、車に戻り一度帰宅。靴下は洗濯機に入れる前に一度シャワーで泥を流さないといけないレベルでした。明日は晴れるといいなー、と思いつつ泥のように眠りについたのです。
(続く)