テーマ曲は当然ディラン。
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デンゼル・ワシントンがとにかく素晴らしい。完璧に肉体改造を行ったその肉体によるボクシング・シーンから、獄中での苦悩、その後の希望に賭ける老いたカーターまで、完璧に演じている。アカデミーノミネートも当然の熱演だ。
この事件の背景には当時の黒人差別があるわけで、こうしたテーマの作品はとかくへヴィーになりやすい。この作品も当然へヴィーなのだが、獄中で絶望したカーターに希望の光をなげかける少年役のヴィセラス・レオン・シャノンが作品にも明るさを与えている。彼と、その周りの大人達が起こした行動がカーターを自由にするまでの流れは本当に圧倒的で、見る側が当然抱く正義感と伴ってぐいぐいとドラマの中に観客を引き込んでいく。クライマックスまで全くだれることのないその演出のおかげで長い上映時間も全然気にならない。驚くべきはこの映画で起こったことが(脚色はあるにせよ)現実にこの世界で起こったことなのだという事実だ。事実は小説よりも奇なりとは良く言ったものだと思う。感動的で力強い、人間のドラマ。