見えないバンド
- アーティスト: Travis
- 出版社/メーカー: Sony
- 発売日: 2001/06/12
- メディア: CD
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フラン・ヒーリーのソングライティングは確かに素晴らしい。アコースティックで、楽曲主体のこの手の若いバンドが彼ら以降多く世に出ているが、やはり別格だと思う。「あくまで主役は曲であって、バンドじゃないんだ」というフランの発言は、嘘ではないだろうが、かといって全てだとも思えない。曲が主役とはいえ、それを歌うのは自分であり、演奏するのはトラヴィスというバンドでなくてはならないという思いは彼の中にあるはずだ。それに前作と同じスタイルをここまで踏襲する、職人的な頑固さに彼のアーティストエゴを感じたりもする。『目に見えないバンド』なんて謙虚に言っているが、見方によってはこのタイトルは全く逆の意味を持ってくるのではないか。そこまで行くとさすがに穿ち過ぎだろうか。
しかし、この美しい楽曲たちが彼らの唯一の自己主張であることに変わりはない。ここまで曲の力をストレートに信じているバンドは今のシーンでも貴重だと思う。