「八木さんのファンなんです」「どこが好きなの?」「別に」
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2005/12/23
- メディア: DVD
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キャスト、スタッフのほとんどはいわゆる三谷組の人たちであり、画面を見ているとなんだか安心する。しかし今作で重要なのは三谷作品初参加となる田中邦衛とココリコ田中、そして何と言っても八木亜希子である。彼女が最高。もう大好きこの人。可愛い、可愛いよ。理想の嫁さん。毎年「明石家サンタ」見て「八木さんのどこが好き?」「別に」と、条件反射で出てきてしまうような人はもうたまらないだろう。彼女の女優としての魅力をここまで引き出した監督のキャスティングには脱帽だ。
細かい会話の端々で笑わせる脚本のキレも絶妙。前作『ラヂオの時間』からつながるマニアックな裏設定もありで、三谷ワールドここにありという感じ。全編通じてとにかく笑える。そして泣かせる。人間味のある暖かいコメディになっている。作り方としては伊丹十三作品に近いものも感じるが、笑いのセンスが段違いだ。
前作は空間的に完全な密室ドラマであり、もともと舞台用に書かれた脚本だったので、初監督作としてある意味一番得意な分野で挑んだといえるだろう。今回はそれよりももっと広がったドラマになっているが、自分のカラーを失わず丁寧に作られている。映画作家として確実な成長を感じさせる快作だと思う。