無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

バイオハザード コード:ベロニカ

バイオハザード コード:ベロニカ完全版

バイオハザード コード:ベロニカ完全版

 『ガンサバイバー』などの特殊なものを除けば『バイオハザード』シリーズもすでに4作目となる。その作品世界は肥大し続け、しかもいまだ着地点が見えていないという、まれに見るビッグシリーズとなっているわけだ。時間軸から言うとこのゲームは『2』の後になり、4作中最も新しい物語ということになる。で、今のところシリーズ最大のスケールを誇る作品ということにもなる。
 『2』も2枚組ではあったが、あれは同じストーリーをクレアとレオン、二人のキャラでクリアするというものだった。今回はたっぷり2枚分ストーリーが詰め込まれている。マップもそれだけ広大で、はじめてやる時はかなり迷う。途中キャラがクリスにチェンジすると、前にクレアが通った建物でもマップがかなり変わるので気をつけねばならない。ゾンビ、犬、というおなじみの敵キャラに加え、中ボスクラスは新しいモンスターが目白押しでかなり盛りだくさんである。『3』は正直言って箸休め的な安易な作りだったので多少不安だったのだが、ここで一気に盛り返したと言えるだろう。気合の入った作りである。前作までの伏線も全て生かし、ストーリー的にも物語の核心に迫る部分までこのゲームでは描かれている。とてつもなく面白かったんだけど、今までのバイオシリーズから見ても圧倒的に難しかった。謎解きが、ではなくてアクションが。中ボスクラスが総じて強く、武器の選択を誤ると無駄に弾を消費するだけで後がつらくなるという悪循環に陥ることもある。プレイの際は気をつけるべし。終盤、クレアが石天井の罠であっけなく死んだときはかなりビビリました。
 『1』は初のホラーアクション3Dゲームということでかなりストイックに恐怖を追及したゲームであったのに対し、『2』以降は敵キャラのバラエティさにも見えるようによりエンターテインメント性を重視し、ある種開き直りとも言える拡大志向を作り手は選択した。画面と音だけでじわっと手に汗握るような恐さじゃなくて、『2』以降は暗闇からいきなりわっと出てこられるようなショッキングな恐さになったとも言える。どっちがいいかは人それぞれだろうけど、マニアックに閉じようとしなかった作り手の姿勢を僕は買う。