無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

ヒア・カムズ・ザ・ストロークス!

イズ・ディス・イット

イズ・ディス・イット

 荒っぽいサウンド、ぶっきらぼうなボーカル。耳に残るメロディー。ストレートでソリッド、それでいていい意味ですごくルーズな音。NYから現れた5人組、ストロークスのデビューアルバム。カッコいいんじゃない?これ。まんまヴェルヴェッツじゃん、ストゥージズじゃん、という声もあるが、そう言われることも含めて本人たちはかなり自覚的にこの音を鳴らしているのだろう。20歳そこそこのバンドらしいが、ふてぶてしいほどの自信と、「俺たちはロックスター」的な確信に満ちている。こういう闇雲な自信って、音は違えどオアシスの登場時にも感じたことだ。若い時はそのくらいでちょうどいい。
 一部メディアの先走り的盛り上がりを見ているとどうなんだこいつら?ハイプじゃないの?とスノッブっぽさが鼻につくこともあるのだけど、本人達はそれをも利用してのし上がるというくらいの計算がありそうな気がする。ロックスターってのは隣のあんちゃんがなるもんじゃない。そうなるべき才能と自信と計算があってそうなる運命にあるやつがなれるもんなんだ。そういう当たり前のことを思い出させてくれた。じゃあ、ザ・ストロークスはどうか?わからない。けれど、5曲目、8曲目あたりの瑞々しいメロディーや、2曲目、10曲目のギターリフを聞いているととことん騙されてもいいと思う。個人的には絶対支持。