以前、
相原コージの『コージ苑』第三版の別冊付録で、
相原コージが考えた4コマネタを様々な漫画家に書いてもらうという企画があった。その中で、ひときわ異彩を放って面白かったのが
池上遼一作画のものだった。あの超劇画タッチでギャグをカマすというギャップだけで十分笑いが取れてしまう、ある意味反則技だった。結局、本作にしても『
課長バカ一代』にしても『しゃぼてん』も
野中英次のマンガの基本はそこなんだと思う。なんで誰もやらなかったんだろうという気もしなくはないが、これをやっちゃおしまいだろうという意識が少なからずあったのかもしれない。で、まあ、それを臆面もなくやっちゃって、やる気あるのかないのかわからない脱力ネタで、読んでるとそれなりに笑ってしまう。あげくに
メカ沢などという飛び道具まで出てきてしまって(出てきたのはだいぶ前で、しかも今はバイクになってしまっているが)とっても始末が悪い。しかも個人的に全くつまらなくなってしまった週間
少年マガジンの中で一番最初に読むのがコレだと言う非常に困った状況になっている。いや、別に困ることはないんだけども、コレで笑ってていいのだろうかと言う葛藤が常に自分の中にあって、しかしそんなことどうだっていいだろうと思う自分もいて。だんだん腹立たしくなってくるのだけど読んでるうちに怒る気力すらなくなってしまう、そんなマンガ。
や、好きなんですけれどもね。どんなに不条理になってもきちんとボケとツッコミの構造を失わないところなどは。