運命のバンド。
- アーティスト: BUMP OF CHICKEN,Motoo Fujiwara,Hiroaki Masukawa
- 出版社/メーカー: トイズファクトリー
- 発売日: 2002/02/20
- メディア: CD
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基本的に、今までのバンプのイメージと違うものがここにあるわけではない。相変わらず、彼らの歌にあるのは、生と死の狭間で自分の存在証明を輝かせるために悪戦苦闘を繰り返す人々の姿であり、そうした人々に対する厳しくも温かいメッセージだ。何が起ころうが、周りがどうなろうが、大事なものは常に自分の中にあるということを一貫して一人称の独白なり三人称の物語の中に綴っている。様々な逡巡を経ながら、安易な理想に逃げることなく、がっしりと地面を踏みしめて進むんだという意思がここに鳴っている(天体観測は、地面に立っているからこそできるもの。届かない場所にあるから、自分の位置がよく解る)。そしてプラス、藤原基央という人の弱音もここにある。つくづく、不器用で正直なるバンドだと思う。
一枚岩の運命を感じさせるバンドというのは、裏を返せばどこか一点でも崩れるとそこで全てが終わってしまう可能性があるということだ(ローゼズもそうだった)。その儚さにも、またロマンを感じてしまうのだと思う。こういうバンドの輝きを同時代に体験できていることを、誰にかわからないけれど、とにかく感謝したい。