ロックンロールエクスプロージョン。
- アーティスト: Jon Blues Explosion Spencer
- 出版社/メーカー: Matador Records
- 発売日: 2002/04/09
- メディア: CD
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1曲目"SWEET N SOUR"からいきなりピークを迎える。ザクザクと斧で叩ききるようなギターリフ、パワフルで正確なラッセル・シミンズのドラム、そして今まで聴いたことがないようなジョンの突き抜けたボーカル。リトル・リチャードのピアノ・パフォーマンスがそうだったように、エルビスの腰の動きがそうだったように、ジョン・レノンのシャウトがそうだったように、ミック・ジャガーのでかい口がそうだったように、このアルバムはロックンロールという音楽がこんなにも猥雑でエロティックで興奮するものだということをあらためて思い出させてくれる。
そして、このアルバムが素晴らしいのは決して単なる過去への回帰という後ろ向きなものものではないからだ。あくまでも2002年のロックンロールとして鳴っている。それはこれまでのバンドの経験から、自分たちがストレートにロックンロールを演奏するだけで十分ロックンロールに対する現代的批評になり得るということをバンド自身がはっきり自覚したからだろう。「プラスチックの牙」なんてタイトルも、すごくクールかつクリティカルにロックンロールという音楽を捉えたものだと思う。こんな短い文章の中で10回もロックンロールって言ってるけど、そういうバンドであり、アルバムなんだから仕方がない。6月の来日が今から楽しみだ。