無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

ハロモニオデオン。

 「ザ☆ピ〜ス!」、「Mr.Moonlight〜愛のビッグバンド〜」という傑作シングルを収録した4thアルバム。ベストをはさんだとは言え、オリジナルとしては前作からすでに2年が経過しているわけで、その間にもメンバーは激しく増減した。結果、4期メン、5期メン計8名にとっては本作が初のオリジナルになるわけだ。5期メンの中ではやはり合唱出身の高橋愛の歌の上手さが光るが、どうもキャラ的に弱い。他のメンバーも正直言って音楽的にもキャラ的にも主役を張れる人材は(まだ)いない。そう考えるとやはり4期メンの立ちっぷりは特筆モノで、加護辻石川ももちろんだけど、何より吉澤ひとみの堂々たる立ち居振舞いには惚れ惚れしてしまう。今現在彼女らの中で音楽的に前に出て引っ張っていく実力があるのは安倍、吉澤だろう。(決してゴマキではない。歌の表現力では保田も素晴らしいのだが、少なくともモー娘。の中で今それを前面に出すつもりはつんくにはないらしい)
 前述のシングルの他にも楽曲的にはまあまあそろっているアルバムなのだけど、彼女らの現在の見せ方として、非常に年齢の低めな、とにかく健康的です元気ですってなイメージが強すぎて、一面的に思えてしまうことがある。年下のメンバーはそれでもいいのだけど、20歳過ぎた上のメンバーたちがそれでは逆にカマトトっぽく見えてしまってどうかなあと思う(特になっち)。各メンバーそれぞれの年齢相応のセクシーさというのもあっていいのじゃなかろうか。というか、昔はあった。中澤姉さんが脱退する前くらいから変わってきたような気がする(だから居づらくなったのか)。「抱いてHold On Me!」みたいな曲、今ないもんね。音楽的にもバラエティ的にも幅を狭くしてしまってるような気がして勿体無い。できるメンバーはいるんだから。無理して下に合わせる必要はないんじゃない?というのが、アルバムを含め今の彼女らに対する全体的な印象。