閉じたロマンティシズム。
- アーティスト: 氣志團,綾小路翔,星グランマニエ
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 2002/04/11
- メディア: CD
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彼らが本当に元ヤンキーなのかどうかはわからないが、彼らが青春時代を過ごしたであろう80年代後半〜90年代前半の文化、つまり当時のアイドル歌謡曲であったり、少年マガジン等のヤンキーマンガであったりを実に巧妙にその楽曲、バンドキャラクターの中に落とし込んでいる。素晴らしいセンスだと思うし、インディーズからこのメジャーデビュー作に至るまでそのバンド内世界に全く綻びがないというのは驚嘆すべき事実だ。自分たちのキャラクターを完璧に演じているという意味で、バンドコンセプトとしては聖飢魔IIに近いと言えるかもしれない。綾小路翔という男は只者じゃない。とてつもない頭の良さを持った男であり、プロデューサーであり、コンセプトメイカーであると思う。
「永遠の16歳」というのは、16歳の頃が良かった、あのままでいたかったという後ろ向きなモラトリアムではなく、16歳でい続ける事を自ら選んで決意したということだ。だから彼らの描く青春時代の甘酸っぱい世界は強烈に切なく胸をかきむしり、「止まれ時よ」という言葉が鋭く突き刺さるのだ。単なる色モノだと思っている人は絶対に損をしている。真正面から向き合わねばならない、恐るべき才能を持ったバンドだと思う。