記憶の迷宮。
- 出版社/メーカー: テレビ東京メディアネット
- 発売日: 2002/05/22
- メディア: DVD
- 購入: 3人 クリック: 16回
- この商品を含むブログ (65件) を見る
まず、映画はレナードが1人の男を殺害するところから始まる。次のシーンはその10分前から始まる。そして、なぜその男をレナードが殺すに至ったかが描かれる。次のシーンは、またその10分前…という感じで映画は進んでいく。レナードには10分前以前の記憶がない。前述のような特異な時間軸で映画が進んでいくために、レナードと同じ感覚を観客は擬似体験することになる。すごく面白い。そして、難しい。新しい人物が画面に登場しても、その人物とレナードの関係が最初全くわからないのだ。会話の中で初めて聞く人物の名前も出てくるし、かなり混乱する。次のシークエンスになって、徐々にその疑問は解かれていくのだけど、またそこでは新たな疑問が登場する。一瞬たりとも目が離せないし、一つの言葉、一つの小道具に至るまですべてに気を配らないと置いてけぼりになってしまう。観客は常に人物相関図を頭に描きながら映画に集中しなくてはならない。また、その中に基本的な時間軸とずれた別の映像が割り込んできたりして、油断すると???になってしまう。彼が電話で話してるのは誰なのよ!って。むー、難しい。けど面白い。ワンアイディアと言ってしまえばそれまでだけど、この映画はかなり新しいし、すごいと思う。荒木飛呂彦がJOJOでそっくりこのアイディアを引用したのもうなずける。最後の最後、どんでん返しがあるわけだけれども、それすらも真実かどうかもよくわからないまま終わってしまう。一度見ただけでああ、面白かったでは勿体無い。ビデオなりDVDで繰り返し繰り返し見たくなる。脚本が非常によくできてるし、演出もすごく上手く雰囲気を出している。主演のガイ・ピアースも良かった。
これは人にも薦めますね。また見よう。