タトゥに見るポップスと消費の関係。
- アーティスト: t.A.T.u.
- 出版社/メーカー: Interscope Records
- 発売日: 2002/12/10
- メディア: CD
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英語圏出身ではないこともあるのだろうけど、曲のタイトルを連呼することでそのままサビになってしまうような簡単な歌詞、80年代っぽいチープさを基調としながらも、きちんと90年代を通過したデジタルビートを用いる抜け目のなさ、アルバムの後半にとってつけたように置かれるリミックスヴァージョンがことごとくつまらないことも含めて、あまりにも正解過ぎるアイドルポップスの見本。その中で、ロシア〜東欧っぽいデカダンな暗さを感じさせる「30ミニッツ」のような曲がとても印象的(ロシア語ヴァージョンの方が絶対いいのに、収録されていないのは残念)。アレンジや演奏はアレだけど、スミスのカバーというのも、彼女らの暗さ、道から外れたっぽさの演出としては完璧だ。
とは言っても彼女ら自身にシーンをタフにサヴァイヴする才能があるかどうかはまだ全然未知数なのだから、先のことは分からない。ただ、今、彼女らを素通りすることは絶対に人生を損してると言い切れる。ていうかもう単純に大好き。「オール・ザ・シングス・シー・セッド」は今年上半期のテーマソングに決まり。僕は今全力で彼女らに騙され、彼女らを消費している。それは音楽を聞いていて最高に気持ちがいい瞬間の一つだ。