シリアス・パーティー。
- アーティスト: Andrew Wk
- 出版社/メーカー: Universal Import
- 発売日: 2003/09/09
- メディア: CD
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今作は前作のように徹頭徹尾フルスロットルで駆け抜けるパーティー・アルバムではなく、彼のそのシリアスな面が強調されたものになっている。ミドルテンポの曲が多くなり、彼のメッセージもより深く、彼のアーティストとしての核心に迫るものになっている。そのメッセージとは要するに「誰が何と言おうと自分の信じる道を進め!」「自分のやりたいことをやれ!」「決してあきらめるな!」ということであり、「自分の力で未来を切り開き、人生をエンジョイするんだ!」ということだ。彼の言う「パーティー」とは、精一杯生きる人生そのものの比喩なのである。シンプルなメッセージを面と向かって語りかけてくるその暑苦しさは、「漢」と書いて「おとこ」と読む感の弱い人間には拒絶されるタイプのものかもしれないが、そんなものは関係ない。一晩中酒飲んで語って、いくらでも悩みを聞いてくれそうなそんな兄貴ぶりがとにかくたまらないのだ(メッチャ年下だけど)。こんなに友達になれそうなアーティストはそうそういない。
メロディーはアニメソングか、アメリカの校歌(聞いたことないけど)かというくらいわかりやすく力強い。そしてサウンドは相変わらずギターもドラムもキーボードもとにかく80年代メタルまんまの音(これがまた楽しくてうれしい)。ジャケットもギミックなし。きりりと見据えたその目には彼の本気(ポンゲ)が漲っているじゃないか。彼の愛すべきキャラクター、彼の本質が誤解なく真っ直ぐに届く、一本気でバカで、そして感動的なアルバムだと思う。ここまで来ると、無理矢理つけたようなバカな邦題が余計なものにすら思えてくる。マジで泣けるよ、これは。