デビュー盤にしてベスト盤。
- アーティスト: レミオロメン,藤巻亮太
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2003/11/19
- メディア: CD
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彼らの曲は、日常の素朴な風景を切り取りながら、クライマックスに向け、ダイナミックに、ドラマチックに広がっていく。何気ない描写の中にいつのまにか世界の真実を射抜いてしまうかのような言葉が現われるのでドキッとしてしまう。そのダイナミクスが曲、そして演奏のテンションとリンクすると素晴らしく感動的なものになる。代表格はやはり「ビールとプリン」や、「電話」というところだろう。『フェスタ』からこの『朝顔』に至るまで、藤巻亮太という人のソングライティングの打率はほぼ完璧と言っていい。
切なさだったり、日本情緒的なワビサビの観念だったり、彼らの楽曲にはわりとデリケートな描写が多いが、演奏が決してその雰囲気やムードに流されないところが好きだ。彼らの曲もやはり未来への希望を感じさせるものだけれど、現状を否定するのではなく、満足はしていなくても肯定する所からスタートしている気がする。だから激しい曲でも感触がすごく優しい。こういうバンドはえてしてナイーヴ過ぎて甘甘になるきらいがあるけれど、レミオロメンがそうではないのは、前述の「ムードに流されない」クールさがあるからだと思う。実は相当野心家なのかも。