無事なる男

敗北と死に至る道を淡々と書いています。

レイカーズシャキール・オニールがヒートにトレードされることになった。ヒート側の交換要員は今季プレイオフ進出に大きく貢献したラマー・オドム、そしてカロン・バトラー、ブライアン・グラントとドラフト1巡目指名権までつけるという破格の大型トレード。シャックの存在感からすればまあ、妥当なのかもしれないが今季のスタメン3人を放出するという大きな賭けに出た。しかし、シャックがイースタンカンファレンスに戻ってきたことで来季の勢力地図は大きく変わりそうだ。ヒートがイースタンの有力チームになるだけでなく、各チーム大型センターの獲得なり、シャックに対抗できるフロントラインの形成を急がざるをえなくなる。
現在はコーチ職ではなく球団社長オンリーになっているが、パット・ライリーはビッグセンター中心のチーム作りを好む人だ。レイカーズ時代はマジック・ジョンソンカリーム・アブドゥル・ジャバーのコンビで一時代を築いたし、ニックス時代は全盛期のパトリック・ユーイングを擁してプレイオフの常連だった。チーム創設以来弱小だったヒートを立て直したのもアロンゾ・モーニングを中心にディフェンシヴなチームを作ったからで、ライリーの構想にはこうした絶対的な支配力を持つセンターの存在が不可欠なのだろう。モーニングが腎臓疾患でプレイできなくなって以降のヒートの凋落はそれを指し示しているといえる。そんなライリーが今のNBAを見渡してシャックを手に入れたいと思うのは当然だろう。逆にいえばセンターにいいプレイヤーがいないとライリーはゲームが作れないのかな。名コーチなのはわかるけど、それはちょっと悲しい。
さて、フィル・ジャクソンが辞任し、シャックが去ったレイカーズはというと、元ロケッツの名将ルディ・トムジャノビッチがヘッドコーチに就任することが決まり、ペイトンとコービーもチーム残留が決まった。そしてヒートからラマー・オドムという才能溢れるフォワードが来たとなれば、シャックがいなくなってもウェスタンで上位の位置はキープできるかもしれない。ただ、得点力のあるビッグマンが多いウェスタンではやはりディフェンス力のあるセンターの加入が不可欠でしょう。まだまだこれからトレードやFAで大きな変化が起きるかもしれないので楽しみ。