ヒロトとマーシーのTug of War。
- アーティスト: THE HIGH-LOWS,真島昌利
- 出版社/メーカー: BMG JAPAN
- 発売日: 2004/09/01
- メディア: CD
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キーボードの白井氏が脱退して2作目となる今作では、現在のフォーマットがようやく体になじんだ感じがする。いらないものはどんどんさらに取っ払ってしまえという爽快感。自身のレーベルを設立して最初のアルバムになるが、つまりは活動上も自分たちにとって必要なものだけを残して身軽になったということだ。前にZAZEN BOYSの感想でも同じようなことを書いたけど、やってる音楽と実際の行動がリンクしてきちんと実を伴っている人たちというのはすごく信頼できる。もちろんハイロウズは最初からこちらを裏切ったことなど一度として無いのだが、ここにきてその純度はさらに透明度を増している。特にヒロトの書く歌詞はもうナンセンスすれすれの言葉の羅列になっている。本当は必要なものまで削ぎ落としてるんじゃないかというくらいにシンプルだ。ヒロトの腹のように微塵の贅肉も無い。削ぎ落とされていないのはドラムのオカズくらいなものじゃないだろうか。
前半はマーシー作品が多く、結構ストレートにコンテンポラリーな社会批判を垣間見せる曲もあるが、後半ヒロト作の割合が増えるにつれてどんどん知能が後退していく。曲もミドルテンポのものが多いので割とリラックスした感じになるのだが、不思議と聞いた後では統一感が取れている。なんなんだろうこれは。今回も全14曲、きっちりヒロトとマーシーの曲が半々。狙ってやっているのか勝手にそうなってしまうのか。ロッキングオン11月号でレノン&マッカートニーとか、ジャガー&リチャーズと言ったロックの歴史を作ったソングライターコンビの特集をしていたのだけど、そこにヒロト&マーシーを入れてもいいと思った。